東大合格者語る「選んじゃダメな参考書」のNG要素 イラストや図解沢山の参考書には落とし穴が
厳然たる事実として、「いい教材が増えているのに、成績が上がっていない」のです。さて、これは一体、なぜなのでしょうか? ■わかりやすい参考書の盲点 結論から先にお話しすると、その理由は「要点がまとまった参考書を使うと、やった気になってしまうから」だと思います。 例えば情報が1ページにまとめて整理されていて、わかりやすい参考書があったとします。 多くの人は「やった! このページだけ覚えればいいんだ! 簡単だ!」と喜ぶことでしょう。
しかし、ここに落とし穴があります。要点がきれいにまとまっている参考書を使うと、重要なポイントがあまりにわかりやすく書かれているため、頭に残りづらいのです。 英単語でも、紙の英単語帳でじっくり時間をかけて意味や用法を調べたものと、ネットでパッと意味だけ調べたものとで比べると、前者のほうが記憶に残りやすいですよね。 それと同じで、要点がまとまっている参考書は、わかりやすいがゆえに自分で調べたり、考えたりする必要がなく、その分、忘れてしまいがちなのです。
要点がまとまっていないほうが、自分でノートなどに1から整理しなければならない分、時間をかけて理解することができ、頭に残りやすいのです。 いくらきれいで丁寧で、わかりやすくて整理された参考書が作られたとしても、それはその参考書を使う人が「頭を使う必要がなくなる」ということを意味しています。 頭を使わないと、勉強したことを簡単に忘れて、頭に残りづらくなってしまうのです。重要なのは、「頭にきちんと負荷をかけて、『やったつもり』にならないこと」です。そうであるならばむしろ、一見すると要点がわからない本や教材のほうが、意外と成績が上がる場合があります。
このロジックについて、『ドラゴン桜』では次のように説明されています。「蛍光ペンを使うな!」と柳先生が生徒にお説教をしています。 ※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください いかがでしょうか。この「蛍光ペンを使わないほうがいい理由」は、まさに「要点がまとまっている参考書を使っても成績が上がらない理由」と同じことだと思います。 ■参考書に書き込み自分で工夫