「急に冬がきて身体がついて行かない」12月のいま食べておくと肺を潤す、意外な海の食べ物とは
こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。12月25日に私の初の著作『ご自愛薬膳』が発売されます。この連載でお話してきた「スーパーの旬の野菜売り場は薬の宝庫!」をすぐ実践できる1冊です。どうぞご予約ください。 【画像】12月の熊本の通勤道から見えたものとは? さて、2024年は11月7日から21日の間が立冬。暦の上では冬の始まりです。 1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。 【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】
通勤道では、にんじんが収穫を待っています!
立冬の頃には木枯らしが吹き、木の葉が落ちます。初雪の知らせが聞こえてくることもあります。この頃から冷たい時雨が降ったり止んだりを繰り返して、ひと雨ごとに冬へと近づいていきます。 寒い季節から暑い季節へ移り変わる時季の春は雨が降るたびに三寒四温で少しずつ温かくなりますが、秋から冬への季節の移り変わりでもまた時雨という“雨”が気温の変化に関係するようです。 雨が降ると「今日は天気が悪い」と言いますが、古代中国の考え方では、「普段離れて存在している天と地が雨を介してつながる」とも捉えています。空から降ってくる雨は、天と地をつなげる“架け橋”。そう考えると、雨の日も悪くないな…と感じたりもします。 おなじみの通勤道シリーズ、今回はにんじん畑です。青々と茂ったにんじん畑は、12月に入ると掘り起こしが始まります。 再春館製薬所は熊本県の益城町に位置しますが、お隣の菊陽町は九州でも有数のにんじん産地。掘りたてのにんじんは橙色の発色がとても鮮やかで、「元気に育ったんだな!」と見た目から感じられます。
暦の上では冬ですが……今年は秋が短かったですね!
11月半ばまで半袖の日もあったのに、暦の上で冬になった途端、冬らしい天候の日がぐんと増えました。夏仕様の身体が寒さに慣れるための準備期間が秋だとすると、突然冬らしくなってしまったので、身体の冬準備もまだ整っていない…と解釈することもできます。 季節が移り変わるにつれて、おなかで活躍する五臓六腑も変化します。暦通りの季節の移り変わりであれば、夏には「心」の機能が頑張り、秋には澄んだ空気を好む「肺」の機能が活躍します。夏から秋、秋から冬への季節の移り変わりの時季は“変化”を得意とする消化作用の「脾」の機能が頑張る…と役割交代をしながら季節に馴染んでいきます。 今年は「なかなか秋が来ないな…」と、気温が高くて汗をかく日が長く続いたので、心の機能はオーバーワークがずっと続く状態だった…と考えられます。 変化の季節(=土用)に次の季節の準備を買って出る「脾」の機能も、秋土用が過ぎても暑さが続いていたので、「いつ働いたら良いんだろう…」と感じていたと思われますし、突然冬が到来したので「準備の期間がない…」と感じていたかもしれません。 今年の紅葉は11月末あたりが見頃で、例年よりも2週間ほど遅かったと言われています。紅葉が鮮やかになる頃の澄んだ空気を好む「肺」の機能ですが、例年よりも2週間ほど長く澄んだ空気を待ち続け、しかもすぐに冬が到来してしまったので、例年以上に肺の機能のコンディションには気遣ってあげることが大切かと思われます。 “天人合一”…自然界で起きていることは身体の中でも起きていること、ですので五臓は少しストレスがかかっているかもしれません。それぞれのコンディションをケアすることに意識を向けたいですね。