竹内涼真「簡単なことじゃなかった」“覚悟”の実写『龍が如く』桐生一馬役に「自信は持っています」
「原作者の方が認めてくださるっていうのは、僕ら作り手としてはすごく報われます」
――1995年と2005年の2つの時間軸を演じられました。どちらの年代でも関わってくる堂島組との関係性は変わりましたか? 「児童養護施設を出て、多感な時期に神室町(かむろちょう)や堂島組に飛び込んだら、1人の社会人として、1人の人間として認められるんじゃないかという承認欲求みたいなものがあると思うんですよね」 「その場所がたまたま堂島組だったんだと思うんです。世間に認められたくて、ちゃんと自分という地位が欲しくて、その世界に飛び込んで。入った先にあるダークなものを初めて知る」 「それを知った後の2005年だと、やっぱり全然印象が違うだろうし。1995年に感じていた大人の世界への高揚感がなくなったり、怖いもの知らずでどんどん突き進んでいくっていうのができなくなったりする2005年。コントラストはあったんじゃないかなと思います」 ――舞台となった神室町は、巨大屋外セットで撮影されたんですよね。 「タイムスリップしたみたいでした。監督の武さん、滝本(憲吾)さんが、本当に細部まで神経を張り巡らせて演出してくださったおかげで、ものすごくリアルになってると思います」 ――背中に入った大きなタトゥーもリアルですよね。できあがるまでにどのくらいの時間がかかりましたか? 「2時間半ぐらいです。短時間でものすごく綺麗に、かつ簡単に落ちないタトゥー専門のチームにしかできないやり方があるんです。ものすごい技術で毎回僕の背中に龍を入れてくれたので、その技術が映像の中がすごく光って見えるんじゃないかな」 ――本編の完成を見た龍が如くスタジオ代表の横山昌義さんも絶賛のメッセージを送っていますね。 「嬉しいです。作り直す作業って、めちゃくちゃ難しくて怖いんですよ。原作者の方が認めてくださるっていうのは、僕ら作り手としてはすごく報われますし、頑張ってチャレンジしてよかったなと思いますね」
「こう見てほしいっていうのはあえて言いたくない」
――7月、サンディエゴ・コミコンでパネルディスカッションに参加されていましたね。アメリカで質問された時の印象を伺いたいです。 「自分が思っていた以上に温かく迎えてくださって嬉しかったし、頑張ってよかったなとすごく報われた感覚がありました」 「僕らが思っていた以上に『龍が如く』が人気でしたし、歴史ある魅力的なゲームが原作なんだなと感じました。だからこそ、僕らが1から作り上げた新しい『龍が如く』の世界が、どれだけ面白いと思ってもらえるのかっていうのは、すごく自分でも興味が湧きました」 ――世界の視聴者に何を感じ取ってもらいたいですか? 「僕は家族、そして、愛の物語だと思っています。僕らがこの撮影期間中に感じていた、すごく繊細で愛に飢えた人たちの感情のキャッチボールを、世界のみなさんにも受け取ってもらえると嬉しいです」 「こう見てほしいっていうのはあえて言いたくないんです。そういう余白がある作品だと思うので」 「ただ、僕らが現場でやりとりした熱量っていうは、日本を超えて世界に通じるんじゃないかなと僕は思います。そこはすごく楽しみです」 ――最後に、これから作品を観る視聴者にメッセージをお願いします。 「自信は持っています。僕らが現場で感じた熱量っていうのは、絶対に間違いじゃないっていう確信があります」 「僕らが命をかけて作った新しい『龍が如く』の世界に、何も考えず飛び込んでいただければ、あっという間に6話まで見終わっちゃうんじゃないかなと思います」 (インタビュー:相川未薫 / 写真:眞鍋孝太郎)