インディアン スポーツチーフ 試乗インプレ【1890ccなのに“回せ!”と催促してくるアグレッシブなエンジンがたまらない】
「スポーツチーフ」のスポーツモードは心して乗るべし!
この日、小川とは互いにバイクを交換したりして千葉の富津海岸へ向かった。インディアンの2台(スカウト ローグとスポーツチーフ)を乗り比べる機会を経て、バイク歴30年のモーターサイクルジャーナリストはどう感じたのかを聞いてみた。 小川「スポーツチーフは、見た目と乗り味のギャップがおもしろい! 1890ccだからもっとヌルリとしたエンジンだと思っていたけれど、乗ってみるとライダーに“回せ!”と訴えかけてきて、そして回した時の加速はすごかったね」 村田「スポーツモードの加速は、側から見ていても驚きでしたよ」 小川「あの加速はまさに痛快。普通は全開にできないと思う…。5000回転しか回らないエンジンだから、3000回転を越えたらもう高回転の領域に入るんだけど、たびたびバイク自体がその領域に飛び込みたがるというか…。要はスポーツモードはかなりイケイケなのよ。洗練とかスマートさとはかけ離れていて、良い意味でワイルド。まるで猛獣に乗っているような感じ」 村田「インディアンのエンジンは、良い意味でどれもスポーティーな傾向が強いって言ってましたもんね。それがより明確になっている感じなのかな」 小川「そう、スポーツモードはそこに一切のブレがない。1890ccなのに…本当にビックリした。一方でスタンダードモードはマイルド。でも、排気量のわりには、トルクで走るというよりは、やっぱりきちんと回転を上げて走りたくなる。通常はスタンダードモードで、きちんと気持ちを入れ替えてスポーツモードをたまに楽しむような感じかな。スポーツモードはスキルも必要だけど、インディアンが目指した凄まじい加速と、スポーティーなクルーザーの世界を多くの方に知ってほしい」 村田「私は今回スタンダードモードのみで試乗したけれど、マイルドだなという印象は確かに同感! スカウトシリーズ以上にスポーツチーフのスタンダードモードはジェントルで、それは丁寧に調教された馬に乗った時のような上質さも感じたというか…」 小川「そう。良いバイクに乗っているという実感はすごく高い! ユニークなポジションのハンドルだなと思っても、乗ってみるとカチッとキマるし、加速も受け止めてくれる。ハンドリングも独特で、豪快な立ち上がりを重視した組み立てをすると、コーナリングもズバズバ決まる。巨体を駆る感覚が抜群に楽しいんだよね。こういった走りの魅力を知ると、インディアンってやっぱり面白いメーカーだなと思う。これが彼らの求めるアメリカのスポーツバイク。スポーツとファッションをリンクさせて、日本でも自由なスタイルで楽しんでほしいね」 村田「今回試乗後に、インディアンモーターサイクルの老舗/PLAIN Indian Motorcycle YOKOHAMAの三浦さんにお話を伺った時も『長年クルーザー乗りを見てきたけど、インディアンを選ぶライダーはジェントルな人が多いよ。さらに言うと、見た目やファッションでなくバイクそのものが好きな感じ。だから、一見するとクルーザーだけど、走るとスポーティーというスポーツチーフを選ぶと、より新しい世界を体感できるんじゃないかな』とおっしゃっていたのが印象的でした。 私自身もクルーザーの印象が大きく変わった1台。いつかスポーツモードでも乗って、その暴れっぷりを体験してみたいですね!」
────────── ●文:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:真弓悟史 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ミリオーレ編集部
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