共生社会へつながり創出 長野県の松本駅東西自由通路に「駅カフェ」
地域共生社会の実現に向け、さまざまな立場の人が緩やかにつながる場を提供する「アルプス駅カフェ」が20日、松本市の松本駅東西自由通路・特設会場でスタートした。認知症の当事者や障害者を含む住民のほか、企業、行政の関係者らが参加。相互理解を深め、視点の異なる参加者の声やアイデアを地域社会の課題解決につなげていくことを目指す。 自由通路の一角にテーブルや椅子を並べ、住民やケアマネジャー、近隣の地域づくりセンター職員、協賛企業の社員らがコーヒーを飲みながら和やかに会話を弾ませた。飛び入りで参加でき、通りがかりに足を止める人もいた。松本市蟻ケ崎4の須澤喜美子さん(80)は「初対面でも話が盛り上がって楽しい。コーヒーもおいしくて気晴らしになる」と笑顔だった。 同市中央地域包括支援センターなどでつくる実行委員会が主催。健常者を前提とした社会から、障害や認知症も個性と捉え全ての人が暮らしやすい社会へ変える一歩として企画され、認知症の人への支援にも積極的なJR東日本長野支社松本統括センターなどが協力した。 自由通路特設のカフェは来年以降も年2回予定し、会場をコーヒー店などに移して毎月の開催を模索している。 発案した地域包括支援センターの岡本雅義さんは、昨年から同市白板地区で取り組む同趣旨の「カフェ凸凹」にも携わっている。岡本さんは「組織の枠を超えて集えば、ものの見方を広げ、共有することができる。障害や認知症があっても、社会生活を続けられる布石としたい」と願っている。
市民タイムス