地味な主人公が実は最強だった映画5選!
目の不自由な老退役軍人を襲ったらトンデモないことに!『ドント・ブリーズ』
暴力的な両親のもとを離れ、幼い妹とふたりで暮らそうと決意した少女ロッキーは、悪仲間から持ちかけられた強盗計画に乗る。それは目の不自由な老退役軍人から貯金を盗むこと。難なく大金をせしめられるとふんで、その住居に潜入した彼らだったが、この老人は異様に研ぎ澄まされた視覚以外の感覚を武器に反撃し、ひとりを抹殺する。家に閉じ込められた残るふたりは逃げ回るうちに、老人の恐るべき秘密を知ることになる。 目が不自由とナメてかかっていたら、とてつもなく強かった……そんな独特の設定に基づくスリラー。声も上げられず、物音も立てられない極限状態でのロッキーのサバイバルは緊張感に満ちている。対する弱いはずの老人が、じつは凶悪な犯罪者だったという衝撃の展開も面白い。現在劇場公開中の『エイリアン ロムルス』でヒロインの死闘をスリリングに描いたフェデ・アルバレス監督の、キャリア初期のイイ仕事。
何者でもないHの正体とは?『キャッシュトラック』
現金輸送の警備を専門とする会社に、ひとりの男が入社。口数少なく、自分のことを語りたがらない、この男に、同僚たちはHというあだ名を付ける。ある日、現金の輸送中、警備員たちは強盗の襲撃を受けるが、Hは瞬時に強盗犯たちを始末した。以来、彼は警備員たちの間で英雄として祭り上げられる。しかし、Hがこの仕事に就いた理由は、まったく別のところにあった! 『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』以来の盟友、ガイ・リッチ―監督と主演ジェイソン・ステイサムの4度目のタッグ作。フランス映画『ブルー・レクイエム』のリメイクで、ミステリー色を増したつくりとなった。登場したとき、ステイサムふんするHは何者でもない男だったが、物語が進むほど、ただ者ではないことがどんどんわかってくる。彼の目的は何か? 金のためではない、意外過ぎるその秘密は、是非自分の目で確かめて欲しい。
文=相馬学 text:Manabu Ando