【就職氷河期世代】平均貯蓄額と中央値はいくら?老後に向けた資産形成のポイント
バブル崩壊後、日本経済が低迷し多くの企業が新卒採用を見送った時期に就職活動を行うことになったのが、現在の40歳代・50歳代。 ◆【円グラフ】40歳代・50歳代の就職氷河期世代はどれくらい貯蓄している? 新卒時に正社員になれず、職歴を重ねられないまま、現在も就職や転職に苦労している方が多いこの年代を「就職氷河期世代」といいます。 今回は、就職氷河期世代に該当する40歳~50歳代・単身世帯の平均貯蓄額や中央値について詳しく解説します。 就職氷河期世代の実態を知るための参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【単身世帯】40歳代・50歳代の貯蓄額はいくら?
金融庁の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」のデータをもとに、40歳代・50歳代の貯蓄状況を見ていきましょう。 ●単身・40歳代の場合 単身・40歳代の貯蓄額は、平均で559万円、中央値が47万円です。 平均値と中央値が大きく乖離していますが、その理由は下記の円グラフを見るとわかります。 ●40歳代・単身世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:40.4% ・100万円未満:11.1% ・100~200万円未満:5.2% ・200~300万円未満:4.0% ・300~400万円未満:3.7% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:4.6% ・700~1000万円未満:7.7% ・1000~1500万円未満:6.2% ・1500~2000万円未満:2.2% ・2000~3000万円未満:4.3% ・3000万円以上:4.3% ・平均:559万円 ・中央値:47万円 中央値とは、データを小さいほうから順番に並べて、ちょうど真ん中に位置する値のことです。 金融資産非保有が全体の40%を占め、100万円未満と合わせれば50%を超えています。 中央値は47万円であり、全体の半数以上の方は貯蓄が47万円以下ということです。 一方、平均値は大きい数字に引っ張られる傾向がありますので、559万円とやや大きい値になります。 しかし、500万円以上の貯蓄があるのは、全体の29.3%のみです。 この場合で実態を表しているのは、中央値と言えるのではないでしょうか。 次の章では、50歳代・単身世帯の貯蓄額の状況を深堀りしていきましょう。 ●単身・50歳代の場合 単身・50歳代の平均貯蓄額は1391万円、中央値は80万円です。 平均値と中央値の乖離は、40歳代よりもさらに大きくなりました。 ●50歳代・単身世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:38.3% ・100万円未満:11.2% ・100~200万円未満:5.2% ・200~300万円未満:2.7% ・300~400万円未満:3.6% ・400~500万円未満:3.8% ・500~700万円未満:4.6% ・700~1000万円未満:5.5% ・1000~1500万円未満:4.9% ・1500~2000万円未満:4.1% ・2000~3000万円未満:4.4% ・3000万円以上:9.3% ・平均:1391万円 ・中央値:80万円 金融資産が1000万円以上ある世帯が22.7%を占め、ある程度まとまった貯蓄ができていることが分かります。 その一方で金融資産非保有も38%を占め、40歳代における割合とそれほど変わりません。 就職氷河期世代では、年齢を重ねても資産を一向に形成できない層、順調に形成できている層の二極化が進んでいることが伺えます。 次の章では、老後に向けた資産形成の具体的なポイントについて解説します。