オリックス・鈴木博志は来年も〝なんでも屋〟としてフル回転へ 「(どこで投げたいとか)そんな欲はないですよ」
【球界ここだけの話】今季5位に沈んだオリックスの中で、どんな場面でも歯を食いしばって腕を振り、チームの苦境を救った縁の下の力持ちが鈴木博志投手(27)だった。昨年の現役ドラフトで中日から加入し、主に救援として32試合に登板。防御率2・97と安定した成績を残し、投手陣を支えた。 【写真】オリックス・鈴木博志が新天地でたどり着いた新境地 「(今年は)すごく良かったです。今までと比べたらやっぱり(試合数を)投げられたし、それなりに期待に応えられたのかなという気持ちはある」 充実した表情で振り返った移籍1年目の今年はハードな展開でマウンドに投入されることもしばしばあった。回またぎはもちろん、ロングリリーフも任され、先発のローテーション事情が苦しくなった5月26日の西武戦(ベルーナ)ではブルペンデーの先発として登板し、3イニングを投げたことも。終わってみれば、登板数は自己最多だったプロ1年目の2018年の53試合に次ぐ、32試合を数え、開幕から故障者が続出したブルペンの立て直しに一役買った。 「環境が変わるというのは一番大きいことだと思う。それこそ今年はルーキーの気分で取り組めた一年なので。新鮮な気持ちでできたことも良かったのかな」 新天地で活躍を見せ、来年はさらなるステップアップを虎視眈々と狙っているのかと思いきや…。冷静に、そして客観的に自分自身を見つめていた。「(どこで投げたいとか)そんな欲はないですよ。というか、本当に与えられたところで投げるしかないので。今までは変な欲を出してもそれが変に空回りするだけでしたし。監督、コーチが使いやすい選手というか、使い勝手のいい選手になれれば」。今年6月から1軍のブルペン担当だった岸田投手コーチが新監督に就任。先発、中継ぎともにチーム内の競争はハイレベルになることが予想されるが、早くもアピールに燃えている。 「(先発も中継ぎも)どこでも投げます。与えられたところでゼロで帰るだけですから」 V奪還を目指すオリックスにとって〝なんでも屋〟として完璧に任務を遂行する鈴木が貴重な戦力となりそうだ。(織原祥平)