イラク戦の鍵を握る本田圭佑のインサイドハーフ起用は成功するか?
引き分け以上で6大会連続のワールドカップ出場に王手をかけられる、イラク代表とのアジア最終予選第8戦が日本時間13日の午後9時25分、中立地イランの首都テヘランでキックオフを迎える。 7日のシリア代表との国際親善試合で左肩関節前方脱臼の重症を負った、MF香川真司(ボルシア・ドルトムント)がチームを離脱。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は代替の選手を招集せず、逆にFW宇佐美貴史(アウグスブルク)もメンバーから外し、24人態勢で9日にテヘラン入りして調整を重ねている。 MF山口蛍(セレッソ大阪)とDF長友佑都(インテル)もコンディションに不安を残す状況で、カギを握るのは中盤の構成。特にシリア戦の後半途中から右ウイングではなく、ハリルジャパンでは初めてインサイドハーフとしてプレーした本田圭佑(ACミラン)の存在となる。 今回招集された中盤のメンバー構成を見ると、アンカーの前にインサイドハーフを左右対で置く逆三角形型の構成を、ハリルホジッチ監督が想定していることがわかる。 アンカー枠が山口と遠藤航(浦和レッズ)で、インサイドハーフ枠が香川と今野泰幸、倉田秋(ともにガンバ大阪)。両方できる選手として井手口陽介(ガンバ)が入り、さらに指揮官をして「手元に置いて見てみたい」と言わしめた、ブルガリアでプレーする加藤恒平がサプライズ招集された。 主軸を担うのは「仮想・イラク」と位置づけたシリア戦で先発した山口、香川、今野だった。そのなかからドルトムントで尻上がりに調子を上げて、シーズンの有終の美を飾ったドイツカップ決勝でも先発フル出場するなど、身心ともにベストの状態で代表に合流した香川が離脱を強いられた。 故障明けの今野はコンディションを必死にあげている状況で、倉田は国際Aマッチ出場歴がまだ3試合。独特の重圧がかかるアジア最終予選は、今年3月のUAE(アラブ首長国連邦)代表戦で19分間プレーしただけだ。 シリア戦でA代表デビューを果たした井手口は、山口の状態次第ではアンカーとして先発する可能性もある。イラク戦のベンチ入りメンバー23人から、試合前日の12日に加藤が外れることも決まった。 にわかに危機的な状況に直面したなかで、存在感を増しているのが本田だ。ハリルジャパンではACミランと同じ右ウイングの主軸を務め、23歳の久保裕也(ヘント)が台頭した今年に入ってからは、2番手に甘んじていた。