リンゴ搾りかす10%配合の段ボール、ジュースのパッケージに…JAが2年かけて製品化
リンゴ加工品製造・販売の「JAアオレン」(青森県弘前市)は、段ボール大手「レンゴー」の青森工場(青森市)などと共同で、表面の紙にリンゴの搾りかすを10%配合した段ボール製品を開発した。リンゴジュース「旬の林檎 密閉搾り」(195グラム缶30個入り)のパッケージとして12月2日から使用する。
JAアオレンは、これまで家畜飼料や肥料などでしか使われていなかったリンゴジュースの搾りかすの有効利用法を模索。野菜を原料にした「おやさいクレヨン」の製造・販売で知られる「mizuiro」(東京都)が搾りかすを使った原紙を製作した。レンゴーは3層になっている段ボールの表面紙にこの紙を使った。
製品化には約2年かかったといい、JAアオレンによると、リンゴの搾りかすを段ボールの材料にするのは全国で初めてとなる取り組みだ。
表面紙は和紙に似た風合いで、製造過程で約200度の鉄板の上を通過するが、燃えることなく製品化できた。搾りかすを配合した段ボールは当面2万個を製造し、JAアオレンは増産して用途を広げる考えだ。
弘前市の桜田宏市長に11月26日、開発を報告したJAアオレンの小笠原康彦会長は「リンゴジュースを守る段ボールにリンゴが使われている。生産者にも販売者にも励みになる。弘前市のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みにも役立てる」と話した。