【高校サッカー選手権】先制許すも見事な逆転勝ちで野辺地西を撃破!青森山田が28連覇達成
11月4日、 青森市のカクヒログループアスレチックスタジアムを舞台に第103回全国高校サッカー選手権青森予選決勝が行われた。8年連続同一カードとなった青森山田と野辺地西の青森頂上決戦は、3-1で青森山田が逆転勝ちを収め28年連続30回目の全国高校選手権出場を決めた。 【フォトギャラリー】青森山田 vs 野辺地西 前半風上に立った野辺地西は開始4分、FKの競合いからのこぼれ球に反応したDF4奈良良祐(3年)がゴール正面からシュート。先制点かと思われるシーンだったが、これはわずかに横に外れた。しかし、このチャンスがチャレンジャーを勢いに乗せる。試合序盤から両サイドがワイドにポジションを取り、ロングボール、ロングスロー、セットプレーなどで青森山田を押し込み、セカンドボールを回収。野辺地西が試合を優位に進めると18分、自陣からのロングボールを競合い、セカンドボールを回収すると、右サイドを駆け上がっていたFW堀田一樹(3年)にボールを繋ぎクロス。中に入り込んだFW11成田凌雅(3年)の前を一度通過するが、左ワイドに入っていたMF7芋田修南(3年)が拾い、ダイレクトで折り返したクロスを成田が頭で合わせてゴールネットに突き刺した。 先制ゴールを許すまで青森山田は野辺地西の出足の良さに押され気味だったが、「28連覇がかかるというプレッシャーで、いつも通りのプレーができていなかったが、失点してからは割り切ってやろうという表情も見えた」と青森山田の正木昌宣監督が話すように、この失点から落ち着きを取り戻した絶対王者は、左サイドをDF5小沼蒼珠(3年)が、右サイドをMF14長谷川滉亮(2年)が奥深くまで侵入し、CKの獲得やロングスローなど、得意の形からゴールをうかがう。すると迎えた38分、中央でFW9石川大也(3年)がボランチに落とし、右サイドを走っていた長谷川に展開しクロス。そのボールをMF13大沢悠真(3年)が落とし、後ろから入ってきた石川が受けるとゴール右隅に流し込んだ。「絶対に来るなという自分の感覚の所で、中に思いっきり中に入るというよりは、少し遅らせて溢れて来たボールを自分が打とう狙っていた」(石川)チームを甦らせる一撃で試合を振り出しに戻し前半を折り返した。一方、リードして後半を迎えたかった野辺地西にとっては、痛い失点となった。 後半は開始早々から、青森山田がパスのテンポを上げて野辺地西を押し込んで行く。すると44分、前からプレスをかけて、ボールを奪うと石川へスルーパス。PA内でターンをした所を倒されてPKを獲得。これをMF7川口遼己(3年)がきっちりと決めて逆転に成功した。 逆転を許した青森山田に野辺地西は芋田を本来の右サイドに戻し、中央で成田、堀田が何とか打開を試みるが、青森山田の守備陣を崩すことができない。55、65分とゴール前で野辺地西がチャンスを作るも、青森山田はいづれもDF陣がゴールを隠す伝統の守備でシュートブロック、野辺地西を跳ね返した。 そして迎えた77分、MF西尾啓汰(3年)、石川と素早い流れるようなパスワークから、最後は大沢がゴールネットを揺らし試合を決定付けた。 3-1の逆転勝利で28年連続30回目の全国大会出場を決めた''絶対王者" 青森山田は、12月28日に開幕する全国大会でもその頂に立ち、再び優勝旗を青森へ持ち帰る。 (文・写真=古部亮)