新潟・妙高の古民家を再生。里山生活を体験できる宿泊施設がオープン!
コロカルニュース
■日本の古きよき里山の自然環境を味わえる一棟貸しの宿 築約120年の古民家を再生した〈MAHORA西野谷〉は、1棟1組限定の宿泊施設です。妙高連峰を望む伸びやかな田園風景の中に佇んでおり、建築や食事、アクティビティなどを通じて、地域の豊かな自然や文化に触れながらリフレッシュできます。 【写真で見る】里山の味がつまった朝食の例。土鍋で炊きたてのコシヒカリを、地元食材のおかずと共に。 MAHORA西野谷のあるエリアからは妙高山、火打山など複数の「日本百名山」の風景が楽しめます。なかでも妙高山は初心者でも登りやすく、多くの登山客が訪れるメッカです。また車で5分のロッテアライリゾートをはじめ、複数のスキー場に近接しています。夏はトレッキング、冬はスキーやスノーボードを楽しむことができ、妙高山麓には7つの温泉(赤倉、新赤倉、池の平、妙高、杉野沢、関、燕)が集まる「妙高高原温泉郷」もあります。 恵まれたリゾートコンテンツを擁する一方で、高齢化や後継者の不在といった課題に直面し、農業の担い手不足や空き家問題に悩む地域でもあります。このMAHORA西野谷も、10年以上空き家となっていた民家を改修し、生まれ変わったものでした。 「建物は約120年前につくられたそうです。しばらく空き家でしたが、次世代へとつなぐため、宿として再生することにしました」 そう語るのは宿を運営する合同会社穀宇の共同代表、蔡紋如(サイ・ウェンル)さん。2010年にワーキングホリデーで台湾から初来日し、結婚を機に2014年に妙高に移住。夫と農業を営み、妙高市のインバウンド誘致の仕事に関わるなかで、「もっと日本のよいところを多くの人々に知ってほしい」という思いが募り、この施設を立ち上げたそうです。 中に入ると吹き抜けの土間があり、梁の存在感に驚かされます。 「1902年5月、この地を襲った土石流により約30戸が被害を受け、その後安全な土地に再建された住居のひとつがこの民家だそうです」 柱や梁は再利用されたものも多く、よく見ると部材に以前の住居のためのホゾ穴などがたくさん残っています。120年をさらに遡る、長い歴史がうかがえます。 ■囲炉裏のある団らん室と3つの客室で、自然を感じながら過ごす 土間の隣にあらわれるのが、囲炉裏のある大空間です。塞がれていた囲炉裏が改修により復活し、団らんの場になりました。囲炉裏の上には、煙受けと照明を兼ねたスチール製の傘が浮かび、落ち着きと一体感をもたらしています。 「設計は、京都大学で風土を生かした建築を研究する小林広英先生にお願いし、相談しながら改修を進めました。できるだけ元の建物のつくりや建具を生かしながら、快適に過ごせるよう整えました」 囲炉裏は掘りごたつ風の仕様。新潟県の家具メーカー〈朝倉家具〉にオーダーしたクリ材の座椅子にもたれつつ、脚を下ろしてゆったりと過ごせます。団らんや食事のスペースとしてはもちろんのこと、ちょっとしたミーティングやパソコン仕事にも使いやすそうです。囲炉裏から外に目を移すと、大きな窓越しに田んぼの景色が広がります。自然との距離の近さは、この宿ならではです。 その囲炉裏を囲むように、3つの客室が並びます。8畳の和室2部屋は、床の間や雪見障子、竿縁天井などが継承された、趣のあるゲストルームです。布団に慣れない人でも過ごしやすいよう、6畳のベッドルームも用意されています。寝具に蔡さんの出身地・台湾から直送した「Sleepy Tofu」が用いられるなど、快適さにもこだわった寝室です。