JFEエンジ、CO2回収装置の選択肢拡大で中型機開発へ。27年度に商用化
JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は26日、燃焼排ガスに含まれる低濃度の二酸化炭素(CO2)を高濃度に集められるCO2分離・回収装置で、中型機の開発に乗り出すと発表した。実証試験中の小型機に加えて選択肢の幅を広げ、多様な顧客ニーズへの対応を目指す。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択された。事業期間は2023年12月から28年3月まで。 先行して開発中の小型機を基に、装置を構成する膜モジュールや真空ポンプといった各種機器の大型化を目指す。 各種機能を検証し、「GX―Opal(オパール)」の商品名で27年度までに商用化したい考えだ。工業炉やバイオマス発電、天然ガスだきボイラ、化学プロセスといった中小規模のCO2排出源向けで活用を想定している。 CO2分離・回収方式は、膜分離法と物理吸着法を組み合わせたハイブリッド型。回収CO2量は1日当たり20~200トン、CO21トンの回収に必要な消費エネルギーは2・0ギガジュール以下を目指す。 小型機の回収CO2量は1日当たり3トン。40フィートコンテナに一連の装置を収納した設置性に優れるパッケージ型プラントで、23年10月から各種機能を検証する実証試験を進めている。「GX―Marble(マーブル)」の商品名で24年度内に販売開始を目指している。