服を売らない「試着だけの店」がららぽーとで次々増えている。現在全国に3店舗、何がそんなにすごいのかを解説
■当初は苦戦したが… しかしオープンしてから約1年間、売り上げはずっと苦戦し続けていました。そこで2022年4月から大きな転換を図ります。体験サービスを大幅に強化したのです。具体的なサービス内容は以下の通りです。 3D骨格診断:3Dボディスキャナーによる36通りの診断結果から最適なコーディネートを提案 パーソナルカラー診断&トータルコーディネート:カラー診断士によるカラーアドバイスと全身コーディネート提案
プロのスタイリストによるコーデ体験:プロのスタイリストによる90分の診断とコーディネート PLUS MIRROR:診断ディスプレイ。AIによる顔タイプ診断やカラー診断や、館内のおすすめショップをレコメンド この方向転換により、以後予約客が着実に増えていきました。顧客には商品を自分自身で選んで試着する「商品予約」よりも、自分の体形に合った服や色をAIやプロによって客観的に診断してもらう「体験」が好まれたようです。
顧客のニーズを的確に捉えて体験型にシフトしたことで、集客も売り上げも大きく伸びていく結果となりました。 ■ファッションが苦手な顧客に照準 方向転換の際、ターゲットにしたのは服を選ぶのが好きなファッション上級者というよりも、ファッションに対する苦手意識を持つ顧客でした。 「自分に合う服がわからない」「どんな色や形の服を選べばいいのか」といった服選びの悩みを持つ顧客を対象にして、その人たちの悩みを解決するサービスを提供したことが成功の背景にあります。
好調を受けて2023年12月に海老名、2024年9月に福岡でららぽーとクローゼットをオープン。今後は10店舗出店を予定しており、売り上げ10億円を目指しています。 ショールーミングとは逆に、オンラインで商品をリサーチしてからリアル店舗で購入することをウェブルーミングと言います。 あなたが最近1万円以上の買い物をしたシーンを思い出してみてください。オンラインで口コミやレビュー動画を参照したり、価格を比較したり、リアル店舗で実際に手に取ってみたりと、ひとつの商品を購入するに至るまで数多くの選択肢があったのではないでしょうか?