緊急事態宣言から2週間、専門家会議が会見(全文5)スーパーでの買い方は工夫必要
空港でのPCR検査は症状がある人に限るべきか
TBSテレビ:TBSの【サクライ 01:18:20】です。水際対策についてお伺いしたいんですけども、これは、専門家会議としてはもう空港でのPCR検査というのは、症状がある人に限るべきだという認識でよろしかったでしょうか。そうであれば、その理由も併せて詳しく教えてください。 西浦:クラスター対策班のほうで、水際対策のこれまでの観察データに関しては、検疫所業務管理室の協力を得て分析をさせていただきました。これまでに、3月の半ば以降、空港で入国する方の、レベル3といわれている、入国管理法に基づく、入国禁止になっているところですね。法人の方だけが基本的には帰ってくるわけなんですけども、全員検査をして、発見された感染者数が全員で88名いらっしゃるんです。それと同時に、どの国から何名の方が入国されたという記録がありましたので、それを分析したんですけど、提言の中の現状分析の中に記載をしていますけれども、その方々というのは、無症状の方が54名ぐらいいらっしゃって、50名プラスアルファぐらいいらっしゃって、有症状の方は30名少々でした。 この人たちに、数理モデルを利用して全員をスクリーニングした場合と、有症状者のみをスクリーニングした場合で、国内で流行確率というのがどれくらい異なるのかというのを検討したんですけども、国内での流行が発生する確率、大規模な流行が発生する確率というのは、だいたいもう0.1%程度ぐらいしか異ならないということが分かりましたので、これまでに掛かっているPCRのリソースがだいたい、今の時点で毎日1000人程度検査がされているというようなこととかを科学的に検討すると、そのリソースというのは、どちらかというと検査のキャパシティーで困っている都心部で、今、流行、国内発生していますから、そちらに回したほうが有益かもしれないというアドバイスは、サイエンス側からのフィードバックとしてさせていただきました。 ですので、あくまでサイエンス側としての意見ではあるんですけれども、有症状者のスクリーニングに限った場合でも、今の時点では全員をスクリーニングすることと、大きく流行に与える影響、疫学的なインパクトというのは異ならないと考えています。 日本経済新聞:どうぞ。