自分自身を魅力ある人材として「ブランディング」するためには何が必要か
評価される人の共通点とは
国内外の多くのマーケティング組織や、そうした活動に関わる大勢の方々と仕事をしてきて、気づいたことのひとつに、次のような原則があります。 「まともで、ちゃんとしていて、気が利く」人は、高く評価され人望も厚い、ということです。もちろん、これらを満たしていないのにさまざまなダイナミズムに乗って出世するタイプの方もいらっしゃいますし、運不運でタイミングが早くなったり遅くなったりすることもありますが、「まともで、ちゃんとしていて、気が利く」のに、ついに評価されなかったという人を見たことはありません。 「まともで」というのは、解決すべき課題を正しく真っ当に把握する認識能力があり、正対する勇気をもっていること、「ちゃんとしていて」というのは、社会のルールに則って集団で行動し、自尊心や自己肯定感をもって自律的でいられること、「気が利く」というのは、自分の目先や手元だけでなく、相手や全体を理解したうえで自分のなすべきことに気付き、実行できること、と理解しています。 この3点を満たしている人は、きっと魅力的で人間力もあるように見えるのではないかしら。 組織の風土環境や、個々人の立場などによって、具体的な行動は異なります。たとえば、新ブランドの導入を検討するときにマーケターとして気が利くことと、年間予算を議論するときに財務担当者として気が利くことは同じではなさそうです。 でも、いずれも「会社全体の方向性を理解したうえで、所属部門や自分自身が果たすべき役割を把握し、遂行している」という描写には適っているのではないかと思います。 指示を待つことなく自分の仕事がわかるようになるには、いくばくか経験も必要です。その際に、「いずれ、『気が利く』ようになるためには、どのような経験・知識を積むべきか」と意識することは、スムーズな成長のヒントになるかもしれません。同様に、「まともで」「ちゃんとして」の部分も、経験を通してできるようになることが多そうです。