「人生は全てネタの材料」…「ロマコメの神様」ノーラ・エフロンが女性たちに届けたかったメッセージとは?
■インパクトのある台詞
■インパクトのある台詞 エフロンが71歳で白血病による肺炎のため死去してから12年がたってなお、彼女のレガシーが息づいていることもカプランは分析している。 例えば、エフロンは秋のファッションの守護聖人となり、ソーシャルメディアにはメグ・ライアンが映画で着た服装があふれている。 「『恋人たちの予感』のサリーがざっくりとしたセーターを着ている姿や、『ユー・ガット・メール』のキャスリーンがカーディガンを着てカボチャを抱えてニューヨークの街を歩く場面は秋の象徴になっている。季節の変わり目と、誰もが大好きで懐かしくなるポップカルチャーが結び付いている。ノーラ・エフロンは秋の代名詞になった」 『恋人たちの予感』『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』はエフロンのキャリアを語る際に必ず言及されるが、彼女はロマコメの女王以上の存在なのだとカプランは主張する。 「彼女の作品に一貫しているのは、インパクトのある書き方だ。ロマコメ以外の映画でも、印象に残るのは彼女の書くせりふだ。決して評価が高くない作品もあるが、ノーラ・エフロンらしい脚本とノーラ・エフロンらしいせりふにハッとさせられる」 『心みだれて』で陣痛を迎えたレイチェル(ストリープ)がマーク(ニコルソン)に励まされて、「もう頑張りたくない。誰か代わりにやってくれないの?」と訴える。 『電話で抱きしめて』では三姉妹の末っ子マディ(リサ・クドロー)が姉たちに子供扱いされて、「私だってみんなに負けないくらい家族の一員よ......私も戦う!」と叫ぶ。 「見ていて思わずほほ笑んでしまう」と、カプランは言う。最後にカプランは、エフロンの一連の作品の真価が認められてほしいと言う。 「今の時代に見ている多くの映画、特にロマコメに関して、彼女がどれだけ影響を与えているかを知ってほしい。そして、彼女の作品を振り返って類似点を見つけてほしい。彼女について、知らなかった新しい何かを発見してほしい」 「次のノーラ・エフロンが現れる日は来るだろうか。これまでも素晴らしいロマコメはいくつか作られてきた。でも、ノーラ・エフロンのロマコメとは違う」
デービッド・チウ(ライター)