石破首相に少数与党の洗礼、バイト学生らの「年収の壁」が第一関門
国民民主は衆院の465議席のうち28議席を占める第4党にすぎないが、改選前の7議席からは4倍に増やした。20-30代を中心とした若い有権者の支持を集めた。石破首相は11日の記者会見で、年収の壁の引き上げについて「与党として真摯(しんし)に検討する」と述べた。
壁引き上げで個人消費増も
林芳正官房長官は先月末、非課税限度額を178万円に引き上げると、政府の税収が7兆-8兆円程度減少する可能性があると指摘した。これは税収全体の10%以上に相当する。石破首相は国の財政に大きな穴を開けずに、政権運営への国民民主の協力が得られる合意をまとめる必要がある。
年末は多くの事業者が人手の確保に苦慮している。特にサービス業で人手不足が目立ち、飲食店や宿泊施設などで働く「接客・給仕」の昨年12月の有効求人倍率は3.19倍と、全体の1.27倍を大きく上回った。年収の壁が働き控えにつながり、労働力不足を悪化させている。
大和総研の11日付リポートによると、学生の税・社会保険の扶養基準である103万円の壁と130万円の壁を180万円まで引き上げた場合、学生61万人が希望通り働けるようになり、個人消費は最大0.3兆円増える可能性があるという。
国民民主の玉木代表は1日のインタビューで、年末に103万円に引っ掛かるために学生たちがシフトを削るとし、「人を雇えないから、せっかく稼げる時なのに店を閉めるカラオケ屋が出てくる」と指摘。「もったいない」と述べた。
--取材協力:広川高史.
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Yui Hasebe