<光る君へ>高畑充希“定子”は「推し」 共感集めた令和ならではのファーストサマーウイカ“清少納言”像
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。7月21日に放送された第28回「一帝二后」で、中宮定子(高畑充希)がこの世を去った。定子のはかなく寂しい最期とともに、最期の時まで定子のそばに仕えた女房であり、初登場以来、何度もSNSで話題を集め、視聴者人気がきわめて高い清少納言(ファーストサマーウイカ)に注目が集まった。(以下、第28回までのネタバレがあります) 【写真】美しい…見つめ合う塩野瑛久“一条天皇”と高畑充希“定子” ■ついに実現した“一帝二后” 「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。大石静が脚本を務め、主人公・紫式部こと“まひろ”を吉高が、まひろのソウルメイトとなる藤原道長を柄本佑が演じている。 第28回では、道長が娘・彰子(見上愛)をもう一人の中宮に押し上げる展開が描かれた。だが、一帝二后体制は長くは続かなかった。長保2(西暦1000)年2月に彰子立后の儀式が行われた後、同じ年の12月に3人目の子を出産した中宮定子は、そのまま25歳で死去した。 第28回が放送されると、視聴者からは定子の死を悲しむ声や、定子役・高畑の好演を称える声が続々。同時に多く上がったのが、ウイカ演じる清少納言に共感する声だ。 ■ききょうの“定子様強火オタク”ぶりが話題に 清少納言は、まだ定子に仕える前、“ききょう”の名で初登場した時から注目を集めてきた。 第6回、漢詩の会でまひろの前に初めて現れた時から歯に衣着せぬ物言いで「ききょうのキャラ最高にいい!」の声が上がり、SNSでもトレンド入り。第15回では、初めて宮仕えに上がり定子から“清少納言”の名を賜るシーンも。続く第16回では、「枕草子」に登場する“香炉峰の雪”のエピソードが飛び出し、「香炉峰の雪」がトレンド入りするなど反響があった。 サバサバとしていて機知に富んだキャラクターに加え、定子にうっとりと見とれる表情が「推しを前にしたオタクそのもの」と話題に。定子を憧れの対象である“推し”に、清少納言をその熱烈なファンを意味する“強火オタク”に見立てた実に令和の世らしい2人の関係性はたびたび注目を集め、感情豊かな“強火オタク”ぶりを体現するウイカ版・清少納言に共感するファンが続出した。 ■定子と清少納言の関係性に共感の声 定子の実家である中関白家の没落が始まると、“推し”である定子を守りたい一心の清少納言の献身ぶりが光った。 第21回では、二条第で火の手に包まれようとしている定子を清少納言が「生きなければなりませぬ」と命懸けで説得するシーンに感動の声が続出。清少納言が「枕草子」を執筆し始めるシーンでは、ウイカと高畑が有名な冒頭を読み上げるナレーションに視聴者から「鳥肌が立った」の声が上がり、「たったひとりの哀しき中宮のために『枕草子』は書き始められた」という語りや、ウイカ自身が直筆で“春はあけぼの”をしたためたという撮影秘話も大きな話題を集めた。 第28回放送後に番組公式サイトで公開されたインタビューで定子の最期について「中宮としての使命をまっとうして、生きた証をしっかり残したところがとてもカッコいいですし、“さすが私の推し”だなと思います」とコメントするなど、ウイカ自身も定子を“推し”と呼んでいる。 この“定子=推し”のイメージが、定子と清少納言の関係性、「枕草子」誕生の経緯を令和の視聴者にわかりやすく伝える一助となったことは間違いない。定子に自分自身の“推し”を重ね、清少納言に共感しながらドラマを楽しんだ視聴者も少なくないだろう。 第28回放送後には、視聴者から「ファーストサマーウイカさん、清少納言を演じてくれてありがとう」「ただのファンだった清少納言がだんだん定子様とお互い大事な存在になっていったのが尊かった」「ファーストサマーウイカさん、本当にハマり役」の声も。 前述のインタビューでは「清少納言としてはこの先あまり表舞台には出てこなくなります」と寂しいことも語っているウイカ。だが、ここから宮中の話題を独占し、1000年のちまで読み継がれることになる「枕草子」の作者だけに、今後もドラマへの登場を楽しみにしたい。