宮田選手「代表辞退」に現地も驚き、フランスの未成年飲酒喫煙はどうなっているのか「一昔前は高校の教室でも吸ってた」
●【喫煙事情】屋内喫煙が規制…生徒が高校の教室で吸っていた時代もあった
――フランスの喫煙事情も教えてください 喫煙も同じで、吸えるのは18歳以上となります。未成年への販売も規制されていますが、15年~20年前には未成年にも平気で売っていました。 1991年にできたエヴァン法では、16歳未満にタバコを売ってはいけないという規定もありました。この規制は2006年法改正で「18歳未満」に引き上げられ、さらに、それまで許されていた屋内喫煙も一斉に禁じられています。 この規制に対しては施行時にはフランス全体で大きなブーイングがあがったものです。しかし、ブーイングも徐々に収まり、今では店内での禁煙は定着して、喫煙者がバーや飲食店でタバコを吸うには、一度外にでなければいけないことが当たり前になりました。 フランスではカフェにテラスが設置されているところが多いため、テラスでは普通に今でも喫煙ができます。ですので、コーヒーまたはビールなどを飲みながら煙草を吸う習慣は未だに続いており、天気がいい日などはテラスが満席になって煙草の煙だらけになります。 私も高校生の頃には、高校の校舎を出れば普通に外でタバコが吸えました。私より5歳くらい上になると、先輩たちが高校の教室でも堂々とタバコを吸っていました。昔のフランス映画などを見ても、そのようなシーンが残っています。 2006年の法改正を若いころに経験したため、喫煙にはかなりゆるい空気の時代に高校生で生きて、その後の変化も見てきたことになります。だんだんと屋内で吸うと嫌な顔をする人も現れはじめ、だいぶリテラシーやメンタリティーは変容してきました。
●日本の18歳19歳がフランスで飲酒・喫煙したらどうなる?
ーー屋外での喫煙は制限されないのでしょうか 公道で吸うのは問題ありません(しかし公園等では喫煙は禁止されているところが多いです)。 7月初めにフランスに行きましたが、パリ市内でも他の街でも、五輪開催間近にもかかわらず、路上喫煙はいたるところで目にするし、道に捨てる人もたくさんいます。 五輪のウェブサイトには、開催ゾーンでは喫煙できないとされています。それ以外の場所はあまり関係ないようです。 五輪開催地は受動喫煙への対策を進めるのが常のようです。しかし、そのような理由の規制に対しては性格上反発する国民性かもしれませんが、五輪という国際イベントですと、割と禁煙に関する規制を守ると思います。 いま、タバコ1箱(20本入り)の値段はだいたい12ユーロ(2千円くらい)で、日本よりもかなり高額。パリ在住の弁護士たちは「我々は中毒だから高くても吸う(笑い)」と話していました。 昔は10本入りのタバコもあって、当時だと2~3ユーロと学生でも手を出しやすかったのですが、今では10本入りは廃止されています。 また、自販機での販売も禁止されています。 最近では参議院で20ユーロ(約3千300円)まで引き上げの議論もあり、値段を上げてタバコの消費率、特に若者たちの消費率を下げる政府の戦略は、公衆衛生上は成功しているようです。 一方で、フランスよりも物価の安いスペインなど近隣諸国で大量に買ってくるケースも少なくありません。 また、北アフリカのブラックマーケットなどで買ってきたタバコが、移民などによって格安の値段で路上販売されている光景もあります。 フランスではライセンスがないタバコの販売は違法です。そのようなタバコはパリのバルべス通り付近やクリニャンクール等に行くと「マルボロ、マルボロ」と路上で販売する人たちが声をかけてきて売られることもありますが、正直どんな中身か見当もつきません。 ーー日本からフランスを訪れた18歳や19歳の「日本における未成年」が現地で飲酒喫煙した場合、現地の法令に違反するのでしょうか 問題はあるのかもしれませんが、仮に18歳未満の日本人がフランスで喫煙をしたとしても、フランスの警察に捕まるようなことはありません。 フランスで未成年が吸ったとして刑罰の対象になるかというと、まず販売側または吸わせた側に責任があり、未成年を取り締まるほど警察も暇ではありません。タバコに対する文化が違っているので、介入はしないと思います。