「金継ぎ」のすすめ。割れてしまった大切な器がより美しくよみがえる
見た目も美しい、「金継ぎ」によるビフォーアフターをご紹介
壊れてしまった事実を無かったことにせず、偶然と必然で生まれた傷跡にその器にまつわる様々な思い出を刻めるのは「金継ぎ」の一番の魅力ではないでしょうか。器を愛する気持ち、割ってしまった人を気遣う思い、その器と過ごした時間までもが刻まれたその「景色」により、一層美しく思えて長く使い続けられます。「修繕を通して日々金継ぎの魅力を感じている」という持永さんの手掛けた「金継ぎ」による修繕をご紹介していきます。 ご依頼主が家族からもらった大切な茶碗 華やかな絵柄の茶碗に金のラインが映えて、より魅力のある茶碗へと変身しました。
割れたものは水で練った小麦粉と生漆(きうるし)を混ぜてつくる「麦漆」で接着します。
バラバラに割れてしまったマグカップ この器の持つ魅力的な釉肌や形に合うよう、「銀継ぎ」により修繕。銀は経年すると燻銀へと変化します。
ものを長く大切にするために古くから受け継がれてきた「金継ぎ」。壊れてしまっても時間をかけて修繕して、「また愛用したい」と思えるようなものがあることは、私たちの人生を豊かにしてくれます。時間や手間をかけるのが惜しまれるこの時代だからこそ、お直しに出したり気軽に参加できるワークショップに参加して、大切な器と向き合ってみてはいかがでしょうか。
持永 かおり(モチナガ カオリ) 多摩美術大学にて、ガラス工芸と陶芸を専攻。 1992年卒業後、陶の作品を制作・発表しながら、2008年頃より、修理のための漆の勉強を始める。 二十年来、数多くの美術品や花器・陶磁器を修理・修復してきたことを生かし、2011年に世田谷区の自宅にて個人ワレモノ修理プロジェクト「モノ継ぎ」を立ちあげる。 2017年「金継ぎ上達レッスン」監修、 2023年春に英訳版(Kintsugi: The Wabi Sabi Art of Japanese Ceramic Repair)がTuttle Publishing Publicationより出版。 Web:https://www.monotsugi.com/ Instagram:kaori_mochinaga_monotsugi
編集:サステナブル情報を発信する常設コンテンツ「elove by ZOZO」 (https://zozo.jp/elove)