すき家は何が「パワーアップ」したのか?
ではいったい、商品のクオリティは、何がどう変わっているのか?「厨房内の調理器具などを変更しています。劇的にというわけではないが、味にも影響します。ですが詳しいことは言えません。企業秘密です」と言う。食い下がったが、「外食チェーンでは、冷蔵・冷蔵設備など細かい技術の積み上げがあり、そこが他社と差をつけるコアな部分です。かなりセキュリティをかけざるを得ないのです。言えば私の首が飛びます」と、申し訳なさそうに話した。 なるほど、「パワーアップ」の実態が、一般の人々に伝わりにくいわけだ。一部の店舗では内装など、目に見える変化はあるものの、今回のリニューアルで主要な部分は、お客にすぐ分かる変化ではなかったのだ。 従業員の人手不足問題についてはどうなのか。「ちょうどリニューアル時期に、人手不足が起きたのは事実です。そして今も、リニューアル工事は終えても、従業員の採用がうまくいかず、オープンできない店もあります。労働環境の面でひずみがあった点は反省しています。お客様にも従業員にも、申し訳ないというのが経営側の本音です。もちろん今回のリニューアルで、従業員さんの仕事がやりやすくなる面はあるでしょう」と話す。 今後も、すき家では2016年3月までの2年間で1000店舗の「パワーアップ工事」が進められる。働く人にとっても、お客さんにとっても、パワーみなぎるお店になることを願うばかりだ。 (文責:坂本宗之祐)