慢性的な資金難に苦しむバルセロナ、2025年夏まで見据えた補強のテーマは? CBはター獲得→アラウホ売却の可能性も
バルセロナ寄りの二大スポーツ紙、『スポルト』と『ムンド・デポルティボ』によると、バルサが来シーズンの補強第1号の獲得に向けて、交渉を加速させているという。ターゲットは、バイエル・レバークーゼンのドイツ代表CB、ヨナタン・ターだ。今年6月30日に契約が満了し、移籍金は発生しない。 【画像】ファン必見!世界で躍動する“イケメン&マッチョ”アスリートたちを完全網羅! 慢性的な資金難に苦しむバルサにとってはまたとない条件だが、肝心の実力についても、元バルサの選手、ボージャン・クルキッチの実父にあたり、自身も長きにわたってクラブのスカウトを務めたボージャン・クルキッチ・シニア氏が『スポルト』のコラムで太鼓判を押している。 「強靭なボディに加え、スプリント能力が際立ち、しかもそのスピードを長距離にわたって維持することができる。少ないタッチ数でボールを散らし、局地戦での激しさだけでなく、先読みして対応するクレバーさも持ち合わせる。守備は基本的に至近距離で相手をマークする形が基本だ。特筆に値するのはクリーンにボールを奪う技術で、今シーズンも2025年1月4日時点でブンデスリーガでは15試合、チャンピオンズリーグで6試合に出場し、提示されたイエローカードは1枚だけだ。今夏、フリーになる選手といえばフィルジル・ファン・ダイク(リバプール)の名前も挙がるが、守備の安定感、とりわけスピードと狭いスペースにおけるクイックネスではターが上回る。バルサにとって大きな補強となるはずだ」 ただCBは、ジュール・クンデを右SBに固定するほど、今バルサで最も層が充実しているポジションのひとつだ。ターが加入するとなれば、序列が変わることは避けられない。そんな中、『スポルト』が居場所を失うことになると指摘しているのが、エリク・ガルシアとアンドレス・クリステンセンだ。前者は、本人も1か月強、怪我で戦線を離脱したとはいえ、ロナルド・アラウホとクリステンセンが怪我により前半戦を棒に振った中、出場機会を増やすことができなかった。一方で後者は昨シーズン、アンカーとして起用されるなど使い勝手の良さも魅力だが、2026年6月に契約が満了する点を踏まえて売却要員と見られている。 難しいのがアラウホの立ち位置だ。本来であればDFの要だが、前半戦怪我で戦線を離脱している間に、パウ・クバルシとイニゴ・マルティネスが不動のCBコンビを形成した。そんな中、キャラクターがかぶるターの加入が近づいているわけだ。『スポルト』は、ハンジ・フリック監督もデコSD(スポーツディレクター)も「併用は可能と見ている」と伝えているが、イタリア方面では「ユベントスがレンタルで今冬の獲得に動く。アラウホサイドとは合意済みのようだ」という情報が飛び交っている。 アラウホはクリステンセンと同様、2026年6月に契約が切れる。バルサは契約延長を目指しているが、クバルシとイニゴ・マルティネスの活躍もあり、そのニーズは例えば半年前に比べれば落ちている。つまり、延長となればクラブが提示する条件での合意が大前提で、『スポルト』は今年の6月まで話がまとまらなければ、今夏売りに出されると報じている。 夏に向けては、アレハンドロ・バルデとクンデのバックアッパーが心もとない左右のSBも補強ポイントに上がっており、『スポルト』は、デコが強靭なフィジカルを備えたアンカーの獲得に執心しているとの情報も合わせて提供している。どうやら守備陣の強化と整備が、夏までのバルサの補強の主眼テーマとなりそうな情勢である。 文●下村正幸
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