【野球部訪問】長崎日大、夏の甲子園へのキーマンは”急成長する二刀流選手”
春季長崎県大会決勝では、二刀流で活躍をみせた長崎日大の三丸 悠成。この試合、先発を任された三丸は、再三ピンチを背負うも、得意の変化球を投げ分けて、9回まで被安打2の無失点投球で好投。海星のエース・加茂 恵との投げ合いとなったが、0対0で迎えた9回裏二死、走者一塁の場面で、三丸に打順が回ると、「最後は自分が決めてやろうと思った」と鋭い振りで、ライト線への適時打を放ち、1対0のサヨナラでチームを優勝に導いた。平山監督からも「チームの中で打撃が最も期待できる選手です」と評されていたが、大事な決勝戦の舞台では投打での活躍をみせた。 ◆【トーナメント表】春季長崎県大会 結果一覧 そんな三丸の憧れの選手は、大谷 翔平である。 「大谷選手みたいにバッターでもピッチャーでも活躍できる選手になりたいと思っています。ピッチャーとしては大谷選手のフォームを参考にして取り組んできました。速い球を投げられて、ホームランもたくさん打てるところに憧れています」と目を輝かせながら語ってくれた。 そんな三丸の最大のライバルはエースの西尾 海純だ。同じチームにいながら、U-18日本代表候補にも選抜された注目の右腕だ。 「やっぱりまだ、西尾に負けているところがあるので、まずは西尾に追いついて、追い越して、最終的には自分がエースとなって、最後の夏までに背番号1を取りたいです」と語る。 日々、目標に向かって邁進する三丸の成長を、平山 清一郎監督も認めている。 「三丸は変化球を投げるのが得意で、新チームが始まってからの練習試合では、首を振ってでも変化球を投げることが多かったんです。それが、だんだんまっすぐにも自信が出てきて、これなら春の大会で勝負できるかなと思いました。春季大会の海星との決勝戦でも、自分で首を振ってインコースにストレートを投げ込んで、レフトフライに打ち取ったことがあったのですが、三丸の成長を感じた瞬間でした」 三丸にとって、成長の転機となったのは、2年生の秋季九州大会の決勝戦だ。 沖縄尚学戦では、途中登板し、打者6人相手に、2三振奪ったものの、被安打2、2失点と納得のいかない結果となった。 「自分では、まだ高いレベルの打線を抑えられないという現実を目の当たりにさせられました。もっと練習をしないといけないと思いました。春までに、何キロ体重を増やそうとか、球速をもっと伸ばそうということを目標にして練習に取り組んできたことで、春季大会では納得のいく投球ができるようになりました」 しかし、西尾との差も理解している。 「球速やコントロールでも、西尾にはまだ負けています。そこをもっと良くして、夏までにあと2段階ぐらい上げて、早く西尾に追いつきたいです。そのためには、下半身を使った投球をもっとできるようになる必要があると思っていて、下半身をもっと鍛えて、速球とコントロールを磨き上げていきたいです」 三丸の成長は、間違いなく甲子園を目指す長崎日大にとってプラスとなるはずだ。三丸・西尾の両投手が、夏のマウンドで躍動する姿を楽しみにしたい。