若干ギャンブル要素はあるけどポルシェオーナーになるのは夢じゃない! 庶民が買えるポルシェを探してみたらけっこうあった
カイエン&マカン
ポルシェのSUVはおしなべてフォルクスワーゲンのプラットフォームを活用したモデルとなりますが、あらゆる設定&チューニングはポルシェの頭脳が担っているのが特徴です。大きく重たい図体ながら、ワインディングを予想以上の気持ち良さで駆け抜ける悦びは、やっぱりポルシェならではの魅力。決して「中身はVWだろ」などと切り捨てられるものではありません。 もちろん、ポルシェ初のSUVとしてカイエンはターボ&NAともにバカ売れして、1年も入庫を待たされたなんて方も少なくありません。 また、マカンはカイエンほど大きくなく、取りまわしのしやすさや、より洗練されたスタイリングに人気が集中して、ひところはポルシェのなかでもっとも売れているモデルとなったことも。すると、中古車市場でも手に入れやすくなり、お値段にしても一般的な中古車と同じくゆるやかに値下がりしています。 マカンであれば過走行ながら200万円台でフルスペックのモデルが見つかりますし、カイエンとなると100万円以内のタマもチラホラ。で、そうした最安なタマは総じて過走行なわけですが、これ決してネガばかりではありません。古くなってもワーゲンやポルシェの質実剛健なところはあるわけで、消耗品にしても距離からすれば替えられているケースがほとんどでしょう。 つまり、シートの擦れやボディのチッピングといったささいな瑕疵に目をつぶれば、それなりにいい買い物「家族も喜ぶポルシェ」が手に入るわけです。
パナメーラ
市場を眺めて驚いたのが、パナメーラの中古車が意外なほど安価だったこと。乱暴ないい方をすれば、中国のお金もち向けの4シーターサルーンであり、911の通底するスパルタンさは微塵もないクルマ。ですが、ポルシェが考えるラグジュアリーをこれでもかと体現して、スムースでパンチのあるV型エンジンや、911同様かそれ以上のキャパシティを見せる足まわりなど、完成度の高さでいえば同社のラインアップのなかでもトップに位置するといっても過言ではないでしょう。 PDKとバリオカムがもたらしてくれる全開加速は、メルセデス・ベンツやレクサスといったライバルを蹴散らすほどの心地よさ。 むろん、手ごろな価格のタマは初代で、過走行といったお約束のビハインドがあるものの、100万円台後半から手に入るとなったら心が動かされませんかね。4.8リッターV8を積んで、4WD、そのうえ純正20インチホイールとか履いてるのに新車の軽自動車よりも安いわけですから、これをお手頃といわずしてなんといえばいいのでしょう。 もっとも、燃費が悪いとか、ブレーキまわりのセンサーがいかれたとか、はたまたナビの調子がいまひとつなんてことになると、ポルシェらしいメンテナンスコストがかかることも事実。 イチかバチかのギャンブルみたいなものですが、昔からいうとおり「虎穴に入らずんば虎子を得ず」でして、手軽にハイパフォーマンス&ラグジュアリーを味わうというわけにはいかないようです。
石橋 寛