ソーラーパネルも充電池もないのにLEDが発光!? 驚きの発電・発光機構を備えたパネライ「サブマーシブル Elux LAB-ID」とは
●歴史的な発明にヒントを得て開発されたコンセプトウォッチ
現在パネライのアイコンとして君臨している“ラジオミール”や“ルミノール”ですが、そのルーツにはブランド黎明期における偉大な発明である発光物質の存在があります。 【画像】「えっ…」これがパネライのコンセプトウォッチです(14枚) 革新を追求して飽くなき挑戦を続けてきた当時の研究の成果のひとつが、1966年6月15日に特許を取得した“Elux(イーラックス)”と呼ばれるELパネル。 これは電気により均一な明るさを維持する発光装置で、イタリア海軍では優れた汎用性と耐久性を買われて計器の判読性の強化に重用。 特に船舶の指令センターや内部信号盤などで大いに活用され、さらにはイタリア海軍の軍洋艦で光る滑走路と標識としても活躍しました。
そんな“Elux”からインスピレーションを得て誕生したのが、今回発表されたコンセプトウォッチ「パネライ サブマーシブル Elux LAB-ID」(品番:PAM01800 1574万1000円、消費税込)。 パネライの研究開発部門“ラボラトリオ ディ イデー”が、半世紀以上前の歴史的な発明から材を得て、8年間に渡る研究開発の成果として完成させたのは、完全機械式ムーブメントでありながらLEDに電力を供給して光らせることのできる全く新しい時計です。
●ゼンマイの働きを電気エネルギーに変換してLEDが発光!
直径49mmというケースサイズは昨今のトレンドを考えるとかなり大きく感じられますが、なんとここに搭載するメカニカルキャリバー“P.9010/EL”には6つもの香箱を搭載。 しかも。このうち2つは最大3日間のパワーリザーブを実現するためのものですが、残り4つは純粋に電気エネルギーを生み出すために使われるもの!
機械的なエネルギーを電気に変換するマイクロ発電機はわずか8×2.3mmという驚異的な小ささですが、その内部にはカスタムメイドのコイルと磁石、ステーターを装備。 これらが生み出すエネルギーによって、ダイヤル上のインデックスやパワーリザーブ表示、さらに針やベゼルといった可動部分のマーカーの発光を賄っているのです。 8時位置に備えたプロテクターを開放してプッシャーを押下すると、4つの香箱から電力が供給され、ダイヤルやベゼルのLEDが鮮やかな色合いで点灯。 特に可動部分である針や、ケース外側に装備したベゼルにも(50気圧防水を備えた潜水時計としての機能を果たしつつ!)電力を供給できるというのはひたすら驚きです。 この電力供給によるLEDの点灯時間は最大30分で、残された点灯時間の目安はダイヤル搭載のインジケーターで確認できるようになっています。 またインデックスと針にはこのモデルの意匠性を高めるための蓄光素材としてスーパールミノバを配置。 分針とベゼルにはブルーのスーパールミノバ X1を、また時針には新グレードのグリーンのスーパールミノバ X2を配置。超絶技巧を凝らした構造に合わせて、外装には特許出願中の“Ti-Ceramitech”を採用します。 数多くの特許取得・申請中の技術を注ぎ込んだ文字通りの逸品は世界150本の限定生産、製作の複雑さゆえに3年間かけて、毎年50本ずつ製造されることとなっています。 ●製品仕様 「パネライ サブマーシブル Elux LAB-ID」 ・品番:PAM01800 ・価格(消費税込):1574万1000円 ・ケース径:49mm ・ケース、ベゼル:サテン仕上げ ブルー Ti-Ceramitech ・ブレスレット:ブルーラバーストラップ、着替用バイマテリアルストラップを付属 ・風防:サファイアクリスタル ・ムーブメント:自動巻きメカニカル、P.9010/ELキャリバー ・駆動時間:3日間のパワーリザーブ ・防水性能:50気圧防水 ・限定数量:世界150本(うち2024年は50本のみ販売) ・発売時期:2024年10月発売予定
VAGUE編集部