「よくやった」「ありがとう」 球場全体で健闘たたえ 甲子園・小松大谷8強ならず
●OBや生徒1500人拍手 「よくやった」「ありがとう」。17日、3回戦で敗れた小松大谷ナインに、スクールカラーの青で埋め尽くされた三塁側スタンドから感謝の声が飛んだ。準々決勝進出はかなわなかったものの、悲願の甲子園初勝利と、優勝候補相手の大金星を挙げた選手たちに、球場全体から健闘をたたえる大きな拍手が送られた。 【写真】小松大谷ナインを応援する木越宗務総長 小松大谷のアルプス席には生徒や保護者、OBら約1500人が詰め掛けた。初回に先制を許したが、二回に逆転すると、「この試合も勝てるぞ」と熱気は高まった。4点ビハインドで迎えた八回の満塁機には逆転への期待感でさらに沸き返った。 試合がダブルプレーで幕を閉じると一瞬静まり、その後、スタンドが総立ちになって拍手を送った。 先発を務めた中田凛投手の母里美さん(47)は「びっくりした」と目を潤ませ、姉もみじさん(20)と父勝靖(かつよし)さん(50)は「大舞台で堂々と投げてくれた」とねぎらった。 2回戦からスタメンに抜てきされ、同点打を放った山本晴輝選手の母しおりさん(35)は「頑張ってきたことが報われて良かった」と目を細めた。 大阪桐蔭戦で完封劇を演じたエース西川大智投手の母正子さん(52)は「『頑張ったね』と褒めてあげたい」と話した。 ●能登高野球部員が友情応援 能登半島地震で被災した能登高野球部員の竹下仁平さん(3年)と新出萊杜(らいと)さん(1年)が青色のメガホンを手に友情応援を繰り広げた。 能登高野球部は地震の影響で練習もままならなかった今年2月、小松大谷高グラウンドで合同練習した。竹下さんは「つらいときに助けてくれたので、恩返しがしたかった。甲子園で活躍する姿を見て元気をもらえた」と笑顔を浮かべ、新出さんは「強豪校連破は能登でも話題で、被災者の励みになった」と話した。 小松大谷の田西称(たさいとな)選手(2年)は合同練習を振り返り「野球ができることが当たり前じゃないと気づかされ、練習を大切にする意識が生まれた。能登高のおかげで成長できた」と感謝した。