屋根から転落男性発見救助、浪江・帰還困難区域でウルトラ警察隊 福島県警が表彰
浪江町の帰還困難区域で屋根から転落してけがをしていた男性を救助したとして福島県警は23日、特別出向警察官(愛称・ウルトラ警察隊)3人に警備部長賞誉を授与した。表彰を受けた双葉署浪江分庁舎を拠点に活動する特別警ら隊の田沢巡査部長(46)=青森県警=は「男性が助かって良かった。たまたま見つけたのが私たち警察で、やるべきことをやっただけ」と振り返った。 表彰されたのは田沢巡査部長に加え、同隊の渡部耀(ひかる)巡査長(27)=山形県警、森山遼大巡査(25)=大阪府警。3人は14日午前10時ごろ、同町の帰還困難区域をパトロール中に、車が止まっているのを見つけた。パトカーを降りると「おーい」と呼ぶ声が聞こえたため、周囲を探し、70代男性が動けずにいるのを発見した。 男性は自宅の屋根を清掃していて、3人が発見する15分ほど前に転落し、太ももの骨を折るなどしたとみられる。3人は119番通報し、男性が楽な姿勢になるように手助けなどをした。 双葉郡内で不法侵入や窃盗が発生していることから、3人は「車があったり、人がいたりしたら、とにかく声をかけよう」と心がけていたという。渡部巡査長は「一時帰宅する人が安全・安心に帰ってこられるようにしたい」と話し、森山巡査は「人の出入りが増える中、普段からのパトロールの成果が出た」と力を込めた。 表彰は県警本部で行われ、保科直樹警備部長が3人に表彰状を手渡した。
福島民友新聞