群馬クレインサンダーズの水野宏太HCが語る『これまで』と『これから』（後編）「自分たちが見たい景色を見にいくシーズン」
各々が持つ武器の融合に手応え「どのように生かしていくかを選手が考え出しています」
チーム全体の成長には、選手個人の成長も必須だ。水野宏太ヘッドコーチは「皆が良くなっています」と賞賛しており、試合ごとに成長を見せるチーム全員を評価している。その中でも、今シーズンから加入し、先発を務めているコー・フリッピンと辻直人の2人について話を聞いた。 年明け以降の好調の一端を担っているコー・フリッピンについては「アグレッシブさを持っていた中で、安定感が出てきました。オフェンス面ではボールシェアが以前よりできるようになってきています。スポットでしっかりシュートも決めて、プレーの荒さが落ち着いてきました。ディフェンスではボールを持っていないところでのポジションニングなど、オフボールの動きはもっと伸ばしていけると思っています」と評価した。 さらに辻直人については、今まで持っていたイメージ以上のことをチームに与えてくれていると話す。「チームが文化を持つ為に必要な事を考えて、その為にできることを模索して、そこに向き合う事ができる選手です。チームで自分がどうあるべきかを考えて、練習を含めた前後のワークアウトやトレーニングでも真摯に向き合ってくれています。結果を出すために自分のパフォーマンスを上げなければいけないというのも感じているようです。成長を止めないように、成長と向き合う選手だと一緒にやってすごく感じています」 個の力を発揮できる選手が増えることで、既存の選手の役割が変わることは往々にしてある。それは群馬にとっても同じで、主力のトレイ・ジョーンズについて「良い意味で変わった」と言及した。「これまでは自分で攻める役割が大きかったですが、ボールムーブメントなどチームとしてより良いオフェンスを作るというコンセプトの中で、前半戦は自分よりも周りを生かしていくことを意識して自分を殺していた部分もあったと思います。しかし、京都ハンナリーズ戦あたりから周りも生かすし、自分も攻めるというのが噛み合ってきました。落ち着いて感情的になりすぎずにプレーしてくれていて、チームメートへの声かけなど、コミュニケーションを取ってリーダーシップも発揮してくれています」 群馬は個々の能力が高い選手が揃っているが、チームケミストリーが発揮できていることに水野ヘッドコーチは自信を深めている。「個性が豊かなチームで、各々が武器を持っています。しかし前半戦はうまく融合できていませんでした。今はそれを理解した上で、どのように生かしていくかを選手が考え出しています」
