スマホ掲げてサイトウコール 知事選で負のイメージ覆した斎藤氏、勝利を決めたSNS戦略
パワハラ疑惑などを文書で告発された斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選は17日投開票され、斎藤氏が再選を確実にした。逆風下の選挙戦で、交流サイト(SNS)を中心に支持を取り込み、候補者を一本化しきれなかった主要政党の隙を突くようにして票を呼び込んだ。 【写真】ユーチューブで勝利宣言。ガッツポーズする斎藤氏 午後9時半過ぎ、選挙事務所が置かれた神戸市中央区の商店街。陣営関係者に伴われた斎藤氏がアーケード下の通りに姿を見せると、沿道に集まった人たちがこぞってスマートフォンを掲げた。おのおの動画を撮影し、口々に「斎藤コール」。SNS戦略を突破口に、「パワハラ」「おねだり」といった負のイメージを覆した斎藤氏の選挙戦を象徴するような場面だった。 「SNSは好きではなかったが、今回はSNSを通じていろんな広がりがあり、自分のことを見ていただいている方がこんなにいるんだと、プラスの面を感じた」 斎藤氏が当選の弁で強調したのもこの点。失職直後の9月末時点で約7万人だった斎藤氏のX(旧ツイッター)のフォロワーは、選挙期間中も急速に拡大し、この日で20万人超に達していた。 SNSで一定の影響力を持つ「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が、斎藤氏の当選を目的に異例の立候補をしたことも後押しになったとみられる。立花氏はこの日夜、ネット番組で「斎藤さんの発信力が弱いから補いに行った」などと発言した。