日本は男女格差指数118位 女性閣僚増で微上昇も政治分野格差に大課題
世界経済フォーラムが6月12日、各国の男女格差を示す報告書「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(GGGI)2024」を発表した。日本は政治と経済分野の格差が影を落とし、総合で146カ国中118位と引き続き低迷。G7(主要7カ国)で最下位、近隣の中国(106位)と韓国(94位)にも後れを取っている。
GGGIの発表が始まった2006年以来、過去最低の125位だった昨年より順位を上げたのは女性の閣僚が過去最多に並ぶ5人になったためだ。しかし政治分野の順位が多少上がったとはいえ、数値は0・118と低いままで、評価できるとは言い難い。 政治学者の三浦まり・上智大学教授は「日本で閣僚20人のうち5人を女性にするのは大変なことだが、それでも順位はわずかしか上がらなかった。逆に言うとそれくらいではだめだということ」と指摘。「女性リーダーを増やそうとかけ声をかけても、人の育成なので20年、30年はかかる。日本は大学の進学率でも女性が男性を超えていないが、米国は1980年代、欧州は90年代に超えており、日本は欧米と50年くらい差があると認識しなければならない。そして50年の遅れは、1、2年で取り戻せるものではない。それを自覚して結果が出るようにスピードアップさせる。そのための定期的な通信簿ととらえたい」と話す。 まずは「遅れている」という現実を確認する。そこからやるべきことは山ほどある、と三浦教授。「(指数には表れない)何百もの取り組みをいろいろなところで進めていかなければいけない。すぐに変化が表れるものでないのはもどかしいけれど、学校や職場、地域社会などあらゆる場所ですべての人が、男女が対等になるよう動かなければ変わらない」と訴える。 筆者が住む秋田県では今年1月、女性議員たちが「秋田県女性議員ネットワーク」を立ち上げた。女性議員が増えない理由を構造的な問題ととらえ、地域や党派を超えて連帯する取り組みだ。そこでは女性議員から「選挙で誹謗中傷を受けた。痛みを当たり前に痛いと言える人こそ必要なのに、議員は鋼のメンタルにならなければいけないのだろうか」「議会で違和感を感じたことにおかしいと声を上げたら『もっと勉強してから言ってください』と男性議員から圧を受けた」などの声を聞いた。 県内の選挙ではいまだ強固な年功序列や地盤がものをいうのだ。