【高校野球】白鴎大足利の小柄な「背番号10」が10戦16発の帝京打線を0封 決勝は常総学院
◆春季関東大会 ▽準決勝 白鴎大足利3―1帝京(25日・上毛新聞敷島) 関東大会は、白鴎大足利(栃木1位)先発の山口幸大投手(3年)が、強打の帝京(東京1位)を7回無失点に抑え、初の決勝進出を決めた。帝京は、8回に梅景大地二塁手(2年)がプロ注目の昆野太晴投手(3年)からソロ本塁打。チームは今春の都大会1回戦から全10試合で計16本塁打をマークしたが及ばなかった。常総学院(茨城1位)は、最大6点差をはね返して東海大菅生(東京2位)に逆転サヨナラ勝ち。09年以来の決勝進出を果たした。 170センチ、70キロの小柄な「背番号10」が、帝京の重量打線を零封だ。相手スタメンの身長、体重の平均は176・9センチ、84キロ。山口は「打席に立った時の威圧感が、今までの相手とは違いました」と明かしたが、気持ちは一歩も引かなかった。 勝負所では「そりゃあ!」と声を発し、右腕を振った。直球は、自己最速を1キロ更新する144キロをマークし「打てるものなら打ってみろと、強気にいきました」。鋭く落ちるスプリット、緩いカーブも効果的だった。7回まで被安打5。本塁打なしで投げ切った。 昨秋以降、夜に1キロの米を食べてパワーアップを図った結果、体重が10キロ増加。「長い回を投げられるようになり、球威が上がりました」。“食トレ”のたまものだった。 チームには、最速152キロ右腕・昆野がエースとして君臨する。「二枚看板で行きたい。だから、絶対に抑えるという気持ちで投げています」と山口。今大会は、15回連続無失点中。“看板”と呼ぶにふさわしい内容で、チームを初の決勝へ導いた。(浜木 俊介)
報知新聞社