【弥生賞】シンエンペラー主役譲らん 全兄は凱旋門賞馬 気性面に成長見せる 矢作師「順調」
「弥生賞ディープ記念・G2」(3月3日、中山) もう、負けられない。良血馬シンエンペラーがここから始動する。 京都2歳Sが圧巻だった。進みが悪くて後方で流れに乗れずにいたが、ゴール前で一気の差し切り。この時、騎乗したモレイラが「能力の高い馬しかできない勝ち方。さすが凱旋門賞馬の血統。将来が楽しみ」と評価したほど。子どもな一面をのぞかせながらも、奥の深さを感じさせた。 2戦2勝で臨んだのが昨年暮れのホープフルS。道中は4番手のインを進み、直線で一度は完全に抜け出したが、最後は勝ち馬レガレイラの決め手に屈して2着に敗れた。吉田助手は「抜け出すのが早過ぎて遊んでいた。レース後も息が入るのが早かったし、真面目に走っていない」と悔しがる。 矢作師がフランスに出向いて手にした秘蔵っ子だ。22年8月に行われたアルカナ社1歳セールで210万ユーロ(約2億9千万円)で落札した凱旋門賞馬ソットサスの全弟。欧州血統馬が、硬い日本の馬場で成功するのは容易ではないが、「体が柔らかい。能力があれば関係ない」と吉田助手はその適性に胸を張る。 中間は栗東CWで4本の時計を出す熱心さ。仕上げ人は「前走は少し太かった。今回はいい感じ。順調ですよ」とうなずく。以前は馬場入り時に尻っぱねをしたり、幼さをのぞかせていたが、随分と扱いやすくなったのが成長の証し。「気性面は少しマシになったかな。でも、幼稚園児が小学3年生になったようなもの。春に中学生、秋に高校生となってくれたら」と笑う。“世界のYAHAGI”らしく、その先に海外挑戦も見据える未完の大器。まずはクラシックへ-。皇帝の復権だ。 〈1週前診断〉栗東CWで国分優(レースは川田)を背に単走。馬なりだったが、ラストはシャープな末脚を見せ、楽々と6F84秒1-11秒3をマークした。余力は十分で、追えば追うだけ伸びそうな雰囲気。当週にやれば十分に態勢は整いそう。