物流DXで「2024年問題」解決に貢献が期待できる17銘柄
ドライバーには、時間外労働、慢性的な人手不足、高齢化といった問題が山積みだが、それを商機と新サービスも続々と誕生している(イメージ写真:Peak River/PIXTA)
「物流の2024年問題」――。すなわち、働き方改革関連法によりトラックなどのドライバーに年間の時間外労働の上限が960時間に制限され(現行は1176時間)、それによってさまざまな問題が起きるであろうと懸念されること、その適用がいよいよ4月に迫ってきた。 シンクタンクのNX総合研究所は、4月からこれが適用されれば、物流業界全体の輸送能力が減少し、何も対策を講じなければ2024年度で約14%、2030年度で約34%の輸送能力が不足すると試算している。 実は働き方改革関連法は2019年4月より順次施行されているが、ドライバーの業務については事業の性質上すぐに適用するのは難しいとの理由からその適用が5年猶予されてきた。もう先延ばしはできない、「待ったなし」の状況である。 政府は今回の規制強化を実効性のあるものにすべく、関連する物流総合効率化法と貨物自動車運送事業法の2法の改正案を2月13日に閣議決定、今国会に提出する見通しだ。 これによって、大手事業者に対してドライバーの負担軽減への計画作成、実施状況の報告、元請け業者には下請け事業者が適正な運賃を受け取れるよう、荷造りや仕分けなど付帯業務料を契約書に明記する、などが課せられる。 政府にはトラックなどのドライバーの働き方改革には長時間労働の改善だけでなく、運輸業務の下請けや孫請けが常態・多様化する「多重下請け」の是正が不可欠との問題意識がある。
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野津 滋