大統領選はメンタルに悪い…米国人の6割がネガティブな影響を自覚(シェリーめぐみ)
【ニューヨークからお届けします】 大統領選を目前に控え、アメリカ人の6割以上がメンタルに悪い影響を受けているという調査結果が発表され、波紋を呼んでいます。 大統領選挙はストレス大で心臓に悪い? 米国医学誌で報告 ビジネス誌「フォーブス」が2000人を対象にした調査によれば、61%が大統領選からメンタルにネガティブな影響を受け、46%が不安を感じ、37%がストレスを、31%が恐れを感じていることがわかりました。 また若いほどその影響を受けやすく、18~27歳のZ世代が66%と最も高くなっています。また男性より女性の方が影響を受けやすいこともわかりました。 さらに注目すべきなのは、Z世代の53%が、こうした不安やストレスが仕事にも影響していると回答していることです。 専門家は「これほどの大きな決断をくださなければならない選挙に関し、不安やストレスを感じるのは当然」としながらも、前回の選挙の後にエスカレートした激しい分断や議会襲撃などが、再び起こることを懸念する気持ちが大きいと指摘しています。 では、彼らはこうした不安やストレス、恐れにどう対処しているのでしょうか? 最も多いのは「ニュース報道を見ないようにする」で44%。日本と違い、各候補者に関するおびただしい報道が流れるアメリカでは、どこかのタイミングでそれをシャットアウトしなければ耐えられない、と感じている人は少なくありません。 他には、SNSを見ないようにする、意見が合わない家族や友人と会わないようにするという対策もありました。若いZ世代には親や年長の親戚と政治的な意見が合わない人が多く、そのために関係が悪くなったという人が29%もいました。 大統領選の直後にやってくる感謝祭やクリスマスに、家族や友人と過ごすのが不安という人も、回答者のほぼ半分の44%に上っています。その数字はやはり若いほど高く、Z世代の6割が不安を訴えているという結果でした。 筆者の周囲でも、家族や親戚で集まる席で必ず選挙の話が出て、言い争いや喧嘩になるという話を頻繁に聞きます。 こうした不安に関し専門家は「言い争いになりそうな相手との議論をまず避ける、もし激しい議論になりそうだったら、それに極力加わらないようにする。または政治の話はしないとあらかじめ決めておくといい。」などとアドバイスしていますが、そう簡単ではないかもしれません。 (シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)