「全員が苦しむと思った」中山秀征が明かす“ポスト飯島愛” 久保純子・しょこたんなど『ウチくる!?』の決断と変遷
“アニメオタクタの変わった子”だった「しょこたん」を3代目に
その久保さんが卒業した2011年、今度は「久保さんとは違うキャラを」と、3代目に選ばれたのが、事務所の後輩“しょこたん”こと中川翔子さんでした。 当時「アニメオタクの変わった子」というイメージだった彼女を、僕は、松本明子さん以来、久々に会社に現れた“バラエティの逸材”と注目していました。 一方、長年『ウチくる!?』のファンだったしょこたんは、「本当に私でいいんでしょうか……?」と最初はかなり恐縮していましたが、すぐにプロ顔負けの画力で、ゲストの似顔絵を描く名物コーナーを生んだり、実はかなりの大食いで、激辛料理にも強いという意外な一面を見せたり、MCを務めた期間で、テレビタレントとしてどんどん成長していきました。 その頃、40歳を過ぎていた僕は、大量に食べるしょこたんに、「やめておきなさい……」なんて、娘を心配する父親の気分(笑)。 成熟期を迎えていた番組に新しい風を吹かせ、その後7年も続けられたのは、間違いなく、しょこたんの頑張りと成長のおかげです。 女性MC交代のような“大きな変化”だけでなく、『ウチくる!?』では、ミニコーナーなど細かい部分を、早いスパンで次々と変えていきました。「故郷に錦を飾る」というコンセプトは守った上で、二番煎じではない、新たなチャレンジをしていったのです。 40年以上、色々な番組の現場を見てきましたが、この「軸を変えない信念と、軸以外を変える柔軟性」は、『ウチくる!?』に限らず、長寿と言われる人気番組に共通する姿勢だと考えています。 *** 【『ウチくる!?』で学んだ、明るく生きるヒント】 ・「意外性」への挑戦を怖がらない ・番組の軸は変えず、軸以外は柔軟に変える *** 『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』では、2008年に亡くなった飯島愛さんの天性の才能や先見性、そして中山さんの前だからこそ見せられたであろう、弱音を吐く姿も語られている。 【もっと読む:折りたたみ携帯の時代に「YouTube やった方がいい」と言った天才・飯島愛がロケバスでヒデちゃんにだけ見せた姿とは】 *** 中山秀征(ナカヤマ・ヒデユキ) 1967年生まれ。群馬県出身。テレビタレント。14歳でデビューして以来40年以上にわたり、バラエティ番組や情報番組の司会、俳優、歌手として活躍している。 Book Bang編集部 新潮社
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