【前編】何で日本にないの? アキュラの旗艦SUV「MDX」をアメリカで試乗。クーペライクなワイド&ロースタイル
日本では発売されず、海外市場のみで販売されている魅力的なモデルを現地試乗取材で徹底レポート! 第4回目はホンダの高級車ブランドであるアキュラのフラッグシップSUV「MDX」を前後編に渡って紹介する。 【写真】ホンダの高級車ブランド「アキュラ」のフラッグシップSUV「MDX」 REPORT:小林秀雄(KOBAYASHI Hideo) PHOTO:平野 陽(HIRANO Akio) ホンダの高級車ブランド「アキュラ」のフラッグシップSUV 未だ日本上陸を果たしていないホンダの高級車ブランド「アキュラ」。現在、アメリカでラインナップするのはセダン2車種とSUV3車種で、まもなく新型のコンパクトSUVである「ADX」がデビューするため、もう1車種増える見込みだ。 その中でフラッグシップSUVに位置付けられるのが、今回紹介する「MDX」。初代モデルは日本でも販売されていたので、車名に聞き覚えがあるという人もいるのではないだろうか。 現行MDXのボディサイズは全長5039mm、全幅1991mm、全高1704mm。ホイールベースは2890mmで、3列シートを備える7人乗りとなっている。日本で販売されているSUVの中でサイズ感が近いのは、レクサスの「LX」。だが、LXとははっきり異なるのが高さで、MDXはクーペライクなワイド&ロースタイルを特徴としている。 スタイリングはクーペライクで都会的なSUV 近年のアキュラ車に共通するデザインアイコンが、「ダイヤモンド・ペンタゴン」と表現される大型のフロントグリル。それに薄型のヘッドライトを組み合わせるフェイスデザインは存在感があり、アキュラブランド全体がスポーティ方向に全振りしていることを印象付ける。 最近のアウトドアブームもあって、オフロード志向のスクエアなデザインのSUVが人気を呼ぶ昨今だが、MDXのベクトルはそれとは真逆。スポーツカーを彷彿させるソリッドなエクステリアデザインは、流行りに迎合したくないユーザーならば今こそ乗りたい気分にマッチするのではないだろうか。 特に今回撮影した「タイプS」は21インチアルミホイールとブレンボ製フロントブレーキを標準装備。撮影車のボディカラーはリキッド・カーボン・メタリックという色で、都会の風景に馴染むスポーティな高級感を感じさせた。 エンジンは3.5LのV6自然吸気がメイングレード系に搭載される一方、今回の「タイプS」には3.0LのV6ターボを搭載。トランスミッションは、いずれも10速ATが組み合わせられる。駆動方式はFFを基本に、ホンダ独自のSH-AWDを採用した4WDもラインナップする。 4世代目となる現行モデルは、ひとつ前の世代と比べてプラットフォームが刷新されており、フロントサスペンションにダブルウィッシュボーン、リヤにマルチリンクを採用。また、パワーステリングには大型車に向いているとされるベルト駆動式の電動パワーステアリングを採用した。ギヤ比可変機構も備わり、街乗りから高速まで、シーンを問わない自然なステアフィーリングを実現している。 プレミアムパフォーマンスSUVに相応しいインテリア インテリアも印象的で、大型のセンターコンソールを取り囲むパネルにはミラノレザーが巻かれ、内装全体が赤で彩られていた。「トゥルー・タッチ・パッド・インターフェース」と呼ばれるHMIは、専用コントローラーと12.3インチワイドディスプレイを装備。ギヤセレクターは最近のホンダ車ではおなじみとなっているボタン式となっている。 撮影車はオプションの「アドバンス・パッケージ」装着車で、パーフォレーテッド・ミラノ・プレミアム・レザーを使用したスポーツシートを装備。大柄なアメリカ人でも安心なサイズ感で、ゆったりした座り心地を実現。運転席と助手席には9ウェイのマッサージ機能まで備わっている。 セカンドシートにはドリンクホルダー付きのアームレストも装備。実は、この中央席部分を丸ごと取り外すことも可能で、センターウォークスルーが可能なキャプテンシートとしても使える設計となっている。 セカンドシートの前方には、独立して温度や風量を調節できる後席用エアコンパネルと送風口を装備。セカンドシートにもシートヒーターが備わり、充電用のUSB、12V/180Wのアクセサリーソケット、AC115V/150Wコンセントも装備されている。 サードシートにも実用的なスペースが確保され、7人全員が無理なく過ごせる居住性を実感できた。 今回の試乗ではカリフォルニア州であちこち走り回った結果、走行距離は約1700kmに到達。そこで感じたドライブフィーリングや燃費については、後編でレポートする。
小林秀雄
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