正直、予想外だった日本代表の3-4-2-1。森保監督の大胆采配で慌てた中国を粉砕。「久保か南野か?」の議論は不要だった【担当記者コラム】
指揮官がいかに日本代表のメンバーに自信を持っているか
[北中米W杯アジア最終予選]日本 7-0 中国/9月5日/埼玉スタジアム2002 正直、3-4-2-1は予想外だった。 【画像】日本代表の中国戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介。5人が最高評価の7点。MOMは3点に関与した20番 言い訳をすれば、今回の日本代表の活動は9月2日の始動から中国戦までの4日間で、トレーニングがフル公開されたのは初日だけ。しかも、屋外練習をしたのは国内組の6人だけだった。残りの3日間は冒頭の15分のみの公開で、戦術的なセッションはまったくチェックできなかった。 ただ、システムは攻撃時は4-1-4-1に可変する4-2-3-1だと考えていた。6月シリーズで試した3バックは、その4-2-3-1が停滞した時やどうしても点が欲しい時に使うオプションだと見ていた。 それが頭から3-4-2-1で、しかもウイングバックは右に堂安律、左が三笘薫という超攻撃型。例えば、右にSBの菅原由勢を使えば、試合中に4バックに可変できたが、それも考慮しない大胆な策だった。 そして、この森保一監督の決断が見事にハマる。左では三笘が幅を取って1対1で仕掛け、右では堂安と久保の連係でサイドを攻略。その久保と南野の2シャドーは、質の高い動きで相手の守備を混乱させた。 記者陣の中では、久保と南野のどちらがトップ下のスタメンか意見が分かれたが、指揮官は“同時起用”という最適解を導き出した。 4-4-2で臨んで来た中国も想定外だったのだろう。まったく対応できず、サイドから簡単にクロスを送り込まれた。後半からたまらず5-3-2に変更したが、遅きに失した印象だった。 過去2大会で敗れている最終予選の初戦ということもあり、森保監督は無難な策を取ると考えていた。ただ、思い切った手を打ったのが奏功し、7-0という圧勝に導いた。 指揮官がいかに日本代表のメンバーに自信を持っているか。それが顕著に窺える強気な采配だった。 取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)
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