高齢化する被爆者団体、北海道の協会が解散報告…被団協総会「被爆の実相を伝えることがより重要に」
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の定期総会が20日、東京都内で開かれた。北海道の被爆者団体が解散を報告するなど、被爆者の高齢化と減少に伴い、活動の継続が困難になっている実態が改めて浮き彫りになった。
北海道被爆者協会は2025年3月末で解散することを5月に決めた。協会に所属する被爆者は、最も多かった1990年代頃は200人を超えていたが、現在は30人に減少。協会の北明邦雄事務局次長(76)は「組織的な活動が難しくなり、やむを得ず区切りをつける決断をした」と話した。
被団協によると、各都道府県の被爆者団体のうち、これまでに宮崎など11県の団体が解散や活動休止となっている。和田征子事務局次長(80)は総会後の記者会見で、「核兵器廃絶に向けて被爆者が被爆の実相を伝え、次の世代に残すことがより重要になる」と述べた。
総会では、国際情勢の緊迫化を受け、「最大の新たな核戦争の危機を迎えようとしている」とする特別決議を採択した。ロシアによるウクライナ侵略やイスラエルのガザ侵攻などを踏まえ、「すべての国々に直ちに戦闘の停止を求め、対話による解決を追求し実現することを強く要請する」としている。