「デブ」「吐き気がする」と蔑まれた学生時代 彫り師の26歳がボディコンテスト優勝『どんな体型でも、そんな自分を愛して欲しい』
6月1日(土)、新居浜市市民文化センターにて『マッスルゲート四国大会』が開催され、齋藤茉里耶(さいとう・まりや/26)選手が、ドリームモデル163cm以下級で優勝、ウーマンズレギンス163cm以下級とウーマンレギンスフィットネス163cm以下級で2位を獲得した。 【写真】齋藤茉里耶選手の美背中&全身ステージショット
ボディコンテスト初出場とは思えない、洗練されたオーラで会場を魅了した齋藤選手。学生時代、新体操をしていた経験があり「舞台に上がって評価される瞬間は、最高に気持ちが良い!」と話す。 「超悔しくて、超楽しかったです!ボディメイクを始めて4カ月でこの結果をいただけたのは、助けてくれた周りの皆様のおかげで、本当に感謝しています。そして、濃厚な派手顔と、健康で頑丈な身体の遺伝子をくれた母に、改めて感謝しました!」 トレーニングのきっかけは「摂食障害を完治するためだった」という齋藤選手。学生時代に患った、過食嘔吐とチューイング(※)が、大人になっても続いていたという。 (※食べたものを口に入れて繰り返し嚙み、飲み込まずに吐き出す行動) 「新体操現役時代、157cm・38kgでしたが、競技者としては『デブ』と評価されていました。『あなたの脚を見ているだけで、吐き気がする』等の言葉を投げかけられ、ショックで過食と嘔吐を繰り返してしまって。『食べても、動けばいいんだよ』というマッチョの言葉を信じて、筋トレを始めようと思ったのです。ちなみに、ボディメイク前は58kg、大会直前は48kgでした」 東京でタトゥーアーティスト(彫り師)をしている齋藤選手は、トレーニングだけでなく何事においても、固定観念を作らないために『こだわらないというこだわりを大事にしている』という。自慢の部位も、あえて作らないようにしているそうだ。 「周りから『肩と背中が綺麗』とよく褒められますが、自慢の部位は特にありません。自慢の部位を自分で作ってしまったら、そこが欠点となったり評価されなかったりしたときに、落ち込んでしまいますから。私は『生きていくうえで、必要の無い身体表現』であるタトゥーを生業にしています。タトゥーもボディメイクも、近しいものを感じるので、探求し甲斐がありますね。360度、どこから見ても美しい姿をデザインしていきたいです」 これまでは毎日外食をし「シュガージャンキーで、バターチューブをたくさんかけていた」と笑う齋藤選手は、減量を機に、健康的な献立の自炊を始めたという。 「全く自炊をしていなかったので、食生活を変えただけで、4カ月の間に8~10kgくらいは落ちました。狩猟で手に入るような、強い生き物の肉が大好きで、今ではローストビーフが得意料理になっています。いつか、熊肉も食べてみたいですね!納豆、りんご酢、アスパラ、いんげん、ブロッコリースプラウト、きのこ類、めかぶは、常に冷蔵庫にあります」 「『どんな体型でも、そんな自分を愛して欲しい』と、今、体型に悩んでいる方にも伝えたいです!」と語る齋藤選手は、初めて訪れた四国で、心と身体に大きな変化があったそうだ。
「他人からの評価で深く傷ついていた私が、今回、あえて他人からの評価を受けるコンテストへ出場しようと思ったのは、過去の自分を受け入れたいと思ったからです。この結果を受けて、『この足を切断してもいいから、もういじめないで……』と思っていた、あのころの自分にメダルを渡して『もう、大丈夫だよ』と伝えることができたように思います。日焼けした自分も、たくさん食べてぽっこりとしたお腹も『すごく愛おしいなぁ』と思えるようになりました。これからも、自分のペースで出場したいと思います」