加藤誉樹レフェリー単独インタビュー【前編】…「日本のレフェリー、すべてのバスケ関係者を代表して」
バスケットボールキングのコンテンツとしてBリーグ開幕前の恒例となっている「JBA審判グループに聞く!」。この企画は来るシーズンから採用される新ルールの解説やJBA審判グループの取り組みについて紹介し、リスペクト文化醸成のためにスタートした。今回で5年目を迎えるが、本編に入る前にレフェリーとしてパリオリンピックに参加した加藤誉樹氏のインタビューをお届けしたい。東京オリンピックに続いて2度目の五輪レフェリーとなった加藤氏は日本のレフェリーを代表しただけでなく、テーブルオフィシャル、バスケットボールに携わるすべての人たちを代表してパリ五輪のコートに立ったのだ。 文・取材=井口基史
パリ五輪のレフェリーは世界で30名の狭き門
――パリ五輪を終えて1カ月以上たちますが、オフはとれましたか? 加藤 昨シーズンのBリーグが終わり、すぐにバスケットボール・チャンピオンズリーグ・アジア(BCL ASIA)、オリンピック最終予選(OQT)、パリ五輪と、レフェリーをする試合が続き、ありがたいことに夏も忙しくさせてもらいました。少し休みをもらい、今はモチベーション高く、新シーズンに向けてガンガンにトレーニングをしています。 ――日本から多くのファン・ブースターが活躍を見守っていました。 加藤 日本時間では深夜か早朝でしたし、4thレフェリーの発表はなかったのですが、多くのかたに応援をいただいていたのは感じました。全国のレフェリーを代表して、あの場に立てた事を光栄に思います。井口さんもXでの広報活動ありがとうございました! ――ニッポンのタカキ・カトウがビッグゲームにいてみんな大盛り上がりでしたよ! 加藤誉樹レフェリー パリオリンピック担当試合 (日時/カード/担当) 7月28日/男子グループフェーズ 南スーダンvsプエルトリコ/1stアンパイヤ 7月30日/男子グループフェーズ カナダ対vsオーストラリア/2ndアンパイヤ 7月31日/男子グループフェーズ アメリカvs南スーダン/2ndアンパイヤ 8月3日/女子グループフェーズ セルビアvsスペイン/クルーチーフ 8月6日/男子準々決勝 フランスvsカナダ/4thレフェリー 8月8日/男子準決勝 フランスvsドイツ/4thレフェリー 8月9日/女子準決勝 フランスvsベルギー/1stアンパイヤ ※4thレフェリーとしてIRSオペ-レーションも担当 ――パリ五輪のコートに立つまでの過程を教えてください。 加藤 具体的には下記のプロセスを経て、パリ五輪選出に至りました。FIBA(国際バスケットボール連盟)の選考は、強豪国や五輪出場国のレフェリーだけが選ばれているわけではなく、個人の能力を評価されて世界の舞台でレフェリングしている方も多くいます。もちろん出身大陸ごとのレフェリー数のバランスは考慮されますが、アメリカ大陸やヨーロッパ出身レフェリーだけで担当するということではありません。今大会にユーロリーグレフェリーはいませんでしたが、NBA、Gリーグ、WNBAとFIBAの両方で活躍するレフェリーも選出されていて、世界最先端を知るレフェリーたちと過ごすことは貴重な経験です。 【パリ五輪レフェリー選考プロセス】 ●ロングリスト選出:FIBAより候補者40名を指名 ↓ ●13週間準備プログラム:40名による準備期間 ↓ ●五輪レフェリー最終選考:FIBA U19ワールドカップ2024およびオリンピック最終予選にて審査 ↓ ●五輪レフェリー決定:パリ五輪レフェリー30名を選出