G7サミット議長デビュー、メローニ伊首相はグローバルサウスを重視
(ブルームバーグ): イタリアで開催された主要7カ国(G7)首脳会議(G7サミット)は15日、ウクライナ支援などの成果を出して閉幕した。
サミットではロシア凍結資産の運用収益を原資とするウクライナへの500億ドル(約7兆8700億円)の追加融資で画期的な合意が成立。中国の経済的な脅威や過剰生産能力を巡り新たに警告を発したほか、イスラム組織ハマスに停戦案の受け入れを呼び掛ける一方でイスラエルのネタニヤフ首相にはラファへの全面侵攻回避を求めた。
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サミットの主役になったのは議長国イタリアのメローニ首相だった。ただG7サミットの議長デビューとなったメローニ氏はG7各国首脳よりもグローバルサウスのリーダーとよりリラックスして接しているように見受けられた。
メローニ氏と他のG7首脳とのやり取りにはぎこちなさが目立った。夕食会でマクロン仏大統領から待たされたことに不快な様子を示したほか、スナク英首相とのハグの際に少し体を引いた動画が話題になった。
また欧州各国のサッカー代表チームによって争われる2024年のUEFA欧州選手権(ユーロ2024)でのドイツ代表の試合経過をiPadで追っていたショルツ独首相にはほとんど時間を割くことができなかった。これらの首脳の多くは選挙で敗北したか、あるいは今後敗北する可能性がある。
一方、メローニ氏はインドのモディ首相をサミットの集合写真の中央に配し、その後、2人が微笑んでいる自撮り写真を投稿した。また人工中絶やLGBTQの権利などの問題で意見が一致するアルゼンチンのミレイ大統領とも冗談を交えて語り合った。
原題:Meloni Uses G-7 to Put Focus on Global South ― And Herself(抜粋)
--取材協力:Brian Platt、Jennifer Jacobs、Ania Nussbaum、Annmarie Hordern、Arne Delfs、Andrew Silke、Ellen Milligan、Chiara Albanese.
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Donato Paolo Mancini, Alberto Nardelli, Josh Wingrove