柔道全国高校選手権男子団体39年ぶり4強に貢献 福岡大大濠の優秀選手が負う五輪金メダリストの中学先輩
柔道の全国高校選手権(3月19、20日、東京・日本武道館)で次世代のホープが躍動した。男子団体では福岡大大濠が39年ぶりにベスト4進出。竹下智哉(2年)が全試合で一本勝ちを収め、大会の優秀選手に選ばれた。東京五輪メダリストの先輩を追い、世界の舞台を目指す。(末継智章) ■大牟田市出身、竹下智哉はこんな人【関連】 優勝候補の東海大相模(神奈川)と対戦した男子団体(5人制点取り方式)3回戦。福岡大大濠の2年生の片桐慶次郎が先鋒戦を制し、次鋒で主将の森元壮琉(3年)も「後輩に負けられない」と続いた。中堅の竹下は得意の内股を放つと見せかけ、小外掛けで一本勝ち。「自分が決めるしかないという気持ちだった」と力を込めた。 強豪を破ったチームは、その後も勢いに乗って4強まで勝ち進んだ。竹下は「中学では大きい選手は僕しかいなくて、団体で全国に出たのも初めて。メダルを取れて本当にうれしい」と喜びをかみしめた。 竹下は福岡・田主丸中3年時に全国中学校大会90キロ級で準優勝した経験がある。東京五輪女子78キロ超級金メダルでパリ五輪代表の素根輝(パーク24)の母校でもある同中の黒岩浩隆監督からは「ただ投げるのではなく、きれいに投げろ。そうしたら日本一になれる」と指導を受けた。黒岩監督は「体格差があるから投げることはできるけど、きちんと崩し、技をつくらないと、将来(技が)かからなくなる。素根にも同じ指導をした」と振り返る。 竹下は「得意の内股で巻くように投げるのではなく、きれいに足をはねるように練習してきた」と強調した。素根が福岡・南筑高で男子部員を相手に乱取りを続けた動画も見て「日本一になるには、他の人より稽古しないといけない」と刺激を受けてきた。 チームは今後、金鷲旗や北部九州4県などで行われる全国総体でも4強以上を目指す。竹下は「しっかり勝って再び全国に行く。全中(全国中学校大会)でできなかった日本一になる」と決意した。
西日本新聞社