松本人志不在のキングオブコント、今年「審査員の好みの問題」がモロ得点に現れた理由
今年「好みの問題」がモロ得点に現れた理由
――辻さんの『好みの問題』発言。大輪さんはどう捉えましたか? <飯塚さんでいうと、一本目ではファイヤーサンダーとシティホテル3号室、ロングコートダディの点数が高いんです。彼らはみんなストーリー的に矛盾点が少なく、芝居もしっかりしていて、わけがわからない内容ではない。そう考えると、や団の点数が低いところがちょっと不思議ではあるんですが……。これはもしかしたら東京03がトリオであることに由来している可能性があるのかな、と。 『R-1グランプリ2022』でお見送り芸人しんいちさんが優勝したあの時、審査員には歌ネタをする芸人が一人もいなかったんです。好みという観点ももちろんありますが、芸人審査員は自分の中にないものを持つ人に高い評価をつける傾向が、少なからずあるのかもしれませんね> ――かまいたちの山内さんは、シティホテル3号室に「意味のわからなさをちょっとだけあったらまた違った」「僕の好みなんですけど」とコメントしていましたよね。 <あれは裏を返すと「面白かったけど、自分も想像できる範囲内だった」ということではないかと。やっぱり審査員の席に座っている方たちは本当に百戦錬磨ですし、次の展開を何パターンも予想しているでしょうから。 とはいえ、今回はこの『好みの問題』がモロに得点に現れたと思います。センス、演技、演出について全員が10点満点クラスでやっている以上、完全に面白さは拮抗(きっこう)していて、あとは好みで判別するしかなくなっている状態なんです。正直、準決勝まで進んだ人たちだったら、誰が出ていても同じことになった気がします> ――実際、今年の準決勝のレベルは高かったのですか? <きっとそうなんだと思います。印象としては全体が底上げされた感覚ですね。それによって上の層がどんどん詰まってきている。キングオブコントは芸歴制限がない以上、今回のラブレターズのように芸歴が上の人たちがちゃんと卒業してくれないと、『好みの問題』の審査は続いていくかもしれません(笑)>