妹だけを過保護に育ててきた母親。父が亡くなり「あの子は頑張っているからお金を多くあげたい」と言うのですが、私は正当に相続されないのでしょうか?
50代の会社員です。私には5つ下の妹がいます。母親は幼少期から妹を過保護に育ててきて、何かにつけて「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」と言われてきました。 先日父親が亡くなり相続の話になったのですが、母親が「あの子はいつも頑張っているからお金を多くあげたいの」と言います。私は正当な相続をされないのでしょうか? 妹とは仲は悪くないので、あまり大ごとにしたくないです(50代会社員Aさん)。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
遺産分割は、全員の合意が必要
相続が開始されたら、遺産の確認、遺言書の有無を確認しましょう。「誰に何を渡すのか」、有効な遺言書により遺産の行き先が決まっている場合は、原則としてそれに従います。 もし、遺言書がない場合など、遺産の行き先が決まってないものについては、法定相続(民法で定められた、相続人になる人の範囲、順位)となります。 相談者さまに他に兄弟姉妹がいらっしゃらなければ、相談者さまと妹さま、お母さまの3人が法定相続人です。念のため、お父さまの戸籍をさかのぼり、他に子どもがいないか(認知事項や異母兄弟)を確認しましょう。 遺言書がない場合、相続人全員で、遺産をどのように分けるかを話し合います(遺産分割協議)。その際に目安となるのが、民法で定められた割合で分ける法定相続分です。ただし、絶対に法定相続分で分けなければならないということではなく、遺産分割協議で相続人全員が合意する場合は、法定相続分でなくても構いません。 よって、お母さまが妹さんに多く渡したいと言ってきても、相続人全員の合意がなければ成り立ちません。Aさんが納得できない場合、合意しなければ遺産分割協議は成り立ちません。