ボクシング世界戦でアニメヒーロー対決が実現?!ケンシロウVS矢吹はどちらが強い?
2試合連続の日本人対決。地元の京都でリングに立つのはデビュー2戦目のKBSホール以来で 世界戦となると、もちろん初めてだ。 「地元での世界戦はうれしい。KOで勝って喜んでもらえる試合をしたい」と凱旋を歓迎したが”かわいい悪魔”と命名したくなるほど、頭の中は冷静だった。 「技術が上がってきているのは実感できるし、スピードも自分に合ったものをつかんだので重心がぶれることなく相手の動きがよく分かる。自分の中ではゲーム感覚。打ってよけて、打ってよけて。年々ボクシングが好きになっている」 過去に幾多の修羅場をくぐったことが寺地を成長させた。 タイトルを奪取した2017年のロペス戦、さらに初防衛となったゲバラ戦は試合後に血尿が出るほどの死闘だった。 「あのころは他に引き出しがなく、最後は打ち合うしか選択肢がなかった。あれがあったからいまがある。来年30歳になりますが、だからいまは試合で疲れないし、息も上がらない」 寺地の今後はスポンサーが手掛けるテニスコートのこけら落としのため、一度京都に戻る以外は東京の三迫ジムで世界戦直前まで調整予定。昨年7月に起こした不祥事では関係各所に多大な迷惑をかけたが、社会奉仕活動を通じて、それを肥やしにひとまわり大きく成長しており「もっともっと進化していきたい」と話す。 今回のタイトル戦は主催者によると定員5000人の50%にあたる2500人を入れて有観客で行われる予定。関係者の言葉を借りれば「ボクシングファン待望の好カード」となる。 ケンシロウvs矢吹の結末や如何に…。 矢吹がプロデビューしたジムの会長で、本名・佐藤正道を「矢吹」とした名付け親でもある元WBC世界バンタム級王者の薬師寺保栄会長に占ってもらった。 「拳四朗はもの凄く強いチャンピオン。教科書から出て来たようなボクシングをする。予想するとすれば7・3で王者が有利でしょう。8・2までの力の開きはないが、6・4くらい接近もしてない。ただ、矢吹には一発があり、試合をひっくり返す力がある。早いラウンドなら矢吹、後半になれば拳四朗。経験豊富だし、へばることないからね。ただ、オレも辰吉戦の下馬評は圧倒的不利だった。矢吹には見返して欲しい。オレの目が節穴だったと鼻を明かしてほしい」 余談ながら薬師寺会長は、矢吹の同門のプロボクサーの弟にも、リングネーム「力石政法」を命名した。もちろん、矢吹丈の永遠のライバル、力石徹にあやかったもので、もう1人“マンモス西”にそっくりのキャラクターのボクサーもいたそうだ。 「最初は矢吹も(このリングネームを)嫌がっていたんだけど、注目度大のカードになりそうですね」 ケンシロウと矢吹。勝つのはどっちだ。 (文責・山本智行/スポーツライター)