「niko and ...」カフェ事業が人気急上昇の必然。苦節10年で黒字に転換 、2023年は前年比130%の成長、平日でも活況に。
しかし、コロナが収束を見せ、街に人が増えるようになると、状況は変わっていった。 「光が差したのは、コロナが明けてから。これまでのストレスで、外で飲食をしたい、人と一緒にコーヒーや食事を楽しみたいというお客様が、すごく増えました。やっぱり、人とのふれあいを皆さんがすごく大事にしてるんだなと。そして、一気に売り上げを伸ばしました。お酒を飲まなくても、昼間から話したり楽しんだりする場所として、カフェはすごく大事なんだと思いましたね」(増田氏)
ところで、このところ私(筆者)は、若い人の行動や、あるいは都市の様子を眺めながら、「せんだら需要」という言葉を提唱している。これは「1000円でだらだらできる場所に対する需要」のことで、せんべろを基に名付けた。 カフェ、サウナ、シーシャなどが流行しているのは、この表れなのだ……と、さまざまな記事で書いているわけだが、特に都心では、再開発や座れる場所の減少なども相まって、「せんだら」できる場所が減っており、もっとも手軽な「せんだら」消費ができる場所としてカフェが選ばれているのではないか、と指摘している。
だが、このような記事を書くなかで、想像以上に郊外や地方に住む人からの、共感の声が寄せられることに気づいた。それだけ、「せんだら」できる場所を求める雰囲気が増しているのだろう。 ニコアンドコーヒーがコロナ後、業績を伸ばしたのは、そういった時代のトレンドにうまく乗った、乗るまで我慢できたのもあったのだろう。 こうして、コロナ禍後の反動で売り上げを伸ばしたニコアンドコーヒー。もちろん、ただ耐えていたわけではない。特にここ数年は、さまざまな他社製品とのコラボレーションメニューも積極的だ。中でも人気となったのが、人気のお菓子「クッピーラムネ」とのコラボレーションメニュー。クッピーラムネが有名な、名古屋に出店する際に作ったオリジナルメニューである。