「niko and ...」カフェ事業が人気急上昇の必然。苦節10年で黒字に転換 、2023年は前年比130%の成長、平日でも活況に。
昨今、都心ではカフェが大混雑している。たとえば、渋谷はスタバが18軒(※2024年5月時点)もあるのに、どこも満員だ。 【画像】「カフェが足りない!」時代の中、ひっそり前年比130%の成長をしている「ニコアンドコーヒー」。おおぶりサイズのフードや、スペシャルティコーヒーの様子を見る(11枚) なぜ「カフェ難民」が増えているのか。背景には「都市の再開発」「ジェントリフィケーション」「喫茶店の減少」「排除アート」……など、さまざまな要因が絡み合っている。 そんななか、業績を急上昇させているのが「ニコアンドコーヒー」だ。 株式会社アダストリアが運営するカフェで、2023年は前年比で130%にまで成長。全国18店舗ながらも、「アパレル併設型カフェ」 として、草分け的存在になりつつある(前編はこちら)。
■企業理念に欠かせなかった「食」 前編の記事「『niko and ...』カフェ事業が“実は絶好調”のワケ 細やかなサービスで差別化、アパレルへの好影響も」では、ニコアンドコーヒーのメニューや内装へのこだわり、ショッピングモールへの出店や、「あえてフードコート近くを選ぶ」戦略についてお届けした。 【画像】「カフェが足りない!」時代の中、ひっそり前年比130%の成長をしている「ニコアンドコーヒー」。店舗とフード・コーヒーの様子を見る(11枚)
このようにメニュー・サービスの双方で、他社とは異なるこだわりを貫くニコアンドコーヒー。しかし、もともと同社はアパレルがメインの企業。どうして、カフェ事業を始めたのか。 「立ち上げメンバーの中では、アパレルだけではできないことをしたい、という話がずっとあったんです。カフェがあると、お店での人と人の関わりが増えたり、コミュニティの場が生まれたりする。そこが素敵だと感じていました」(アダストリア・増田太一氏)
当時の社員たちが参考にしたのは、視察に訪れたニューヨークやロサンゼルスで見た風景。サードウェーブコーヒーが流行するなか、これらの都市では、アパレルに併設したカフェが増えていた。これらが、立ち上げメンバーにインスピレーションを与えた。 ニコアンドは、ただアパレルや雑貨を扱う店ではなく、「人の生活」そのものを提案するという理念を持つ。「食」もまた、「生活」を作る大事な要素。だからこそ、ニコアンドには「食」も必要だったのだ。