SMBC日興、4-6月は116億円の黒字-債券引き受け増など寄与
(ブルームバーグ): SMBC日興証券は29日、2024年4-6月期(第1四半期)の連結純損益が116億円の黒字(前年同期は59億円の赤字)だったと発表した。債券や株式の引き受け・売り出しを中心に受け入れ手数料が増加した。
発表によると、受け入れ手数料は同31%増の645億円で、このうち債券の引き受け・売り出しなどの手数料は同88%増の69億円だった。後藤歩常務は決算会見で、営業部門の堅調に加えて「国内外の発行市場において起債環境が良好で、DCM(債券資本市場)の収益増加が寄与し、増収増益決算となった」と説明した。
第1四半期は、日本銀行によるマイナス金利解除や資本効率改善に向けた企業の動きを背景に、債券や株式の活発な取引が続いた。2月にバブル崩壊後の最高値を更新した日経平均株価は3万8000円台を中心にもみ合う展開だった。
前年同期の純損益は相場操縦事件後の債券引き受けや機関投資家の発注停止などの影響が出ていた。ただ、前期(24年3月期)は通期純損益が162億円の黒字(前の期は398億円の赤字)と2期ぶりの黒字に転換している。
SMBC日興は今期から、証券単体と海外拠点を合算し、より実態に即した新たな数値も公表した。今村新吾財務企画部長によると、決算短信の開示内容では、グループの主要な欧米拠点が連結対象とならないことなどから、ビジネスの実態と乖離(かいり)していたと説明している。
この計算方法による4ー6月期の純利益は前年同期比2.4倍の201億円となった。純営業収益は同23%増の1331億円。営業利益は営業部門が同4.3倍の80億円、投資銀行部門が54億円(前年同期は12億円の赤字)、グローバル・マーケッツ部門は同41%減の123億円だった。
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Nao Sano, Yui Hasebe