検察官は国家公務員と聞きました。具体的にどのような行動を取れば昇給するのでしょうか?
検察官は、国家公務員のなかでも屈指の難易度を誇る職種です。高年収ですが給与体系が少し特殊であり、昇給にもいくつか条件が課せられることもあります。 今回は、検察官が昇給する条件や検察官のキャリアパスについて解説します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
検察官は号俸を上げると昇給する
検察官である副検事と検事は、一般の公務員より職務が特殊なため、通常の俸給制と異なる給与体系が採用されています。 検事は20~1の号俸、副検事は17~1の号俸により、月給やボーナスの支給額が変動する仕組みです。検事と副検事の月収の範囲は、以下の表1の通りです。
※e-Gov法令検索「昭和二十三年法律第七十六号 検察官の俸給等に関する法律」を元に筆者作成 昇給のペースはおよそ1年に1~2回程度であることが多いです。ただし、昇給するには定期的に行われる試験に合格しなければなりません。
検察官になるまでのルート
検察官の職に就くルートは、主に2つです。1つは国家公務員試験をクリアして検察事務官の職に就き、副検事経由で特任検事を目指すルートであり、もう1つは司法試験の突破から検事に就くルートです。 どちらを選ぶかでキャリアなどが異なるため、自分のキャリアプランに合った選択をしましょう。そこで、検察官の職に就くためのルートを解説します。 ◆国家公務員試験から特任検事を目指すルート 国家公務員試験に合格して検察事務官に就いた場合でも、特任検事に進むキャリアパスがあります。検察事務官が特任検事を目指すには、以下の順番で条件をクリアしなければなりません。 1・検察事務官として3年以上勤務する 2・副検事選考試験に合格して副検事に就く 3・副検事として3年以上勤務する 4・検察官特別考試験に合格する 副検事選考試験と検察官特別考試験はどちらも難関で、相当な勉強が必要とされています。国家公務員スタートで目指せる検察事務官の最高キャリアは、特任検事となります。 ◆司法試験から検事を目指すルート 司法試験スタートのルートでは、検事だけでなく裁判官や弁護士のキャリアも目指せます。司法試験の突破から検事までのルートは、以下の通りです。 1・司法試験を合格 2・司法修習を終える 3・任官志望者のなかから基準を満たした者のみ採用 検事は司法試験を突破すれば誰でもなれるわけではなく、志望者のなかから適性や能力など、総合的に優れた者だけが採用されます。採用数は毎年60~80人程度のため、採用枠は狭いといえるでしょう。 司法試験は、法科大学院課程を修了した者か、司法試験予備試験に合格した者しか受験できません。受験のハードルは高いといわれていますが、司法試験自体の合格率はおよそ半分です。
検事の壁は高い
検事は、難易度の高い試験を突破する学力や総合的な能力の高さが求められる職業です。司法試験を突破したとしても必ずなれるとは限らないため、検事になれる時点で相当なエリートであると考えられます。 高い収入が得られる可能性のある仕事ですが、検事として昇給するには昇級試験をクリアする必要があるため、勉強を続ける覚悟で臨まなければ、続けるのは難しい仕事だといえるでしょう。 出典 e-Gov法令検索 昭和二十三年法律第七十六号 検察官の俸給等に関する法律 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部